近畿日本ツーリスト沖縄(那覇市)は、観光客増などの影響による観光バス不足問題に対応するため、沖縄を訪れる修学旅行生を対象に路線バスを活用したプランを検討している。各自の自由行動時間で路線バスを利用し市内観光やショッピングにつなげる仕組み。各バス会社から行き先や時刻表などのデータをとりまとめ2016年度にも導入する。今後は集積したデータを活用しアプリの製作も行う。多言語化など機能を強化すれば外国人観光客にも対応可能で、観光バス不足解決の糸口になると期待される。(久髙愛)

おみやげを買い求める修学旅行生=8日午後、那覇市・国際通り

 14年に修学旅行で沖縄を訪れた人は45万959人で前年に比べ1万4625人(3・4%)増えた。北陸新幹線の開通などで今後は他の都道府県と競争激化が見込まれるが、観光地としての魅力のほか、平和学習プランを充実させたいという学校も多く、沖縄人気は根強い。

 夏場の価格高騰を避けるため中学生は4~6月、高校生は10~12月が「オンシーズン」で観光バス需要はピークを迎える。ここ数年はクルーズ船の寄港回数の激増でバス確保はさらに難しくなっている。

 しかし、全国的なバス不足で生産が追い付かず、需要の高い時期は限定的で、ピーク時に合わせてバスを新規発注しても閑散期に活用できない。また県外からのリースは保険や輸送費など問題も多く、現実的ではないことからバス不足の問題に関係者は頭を抱えてきた。

 修学旅行は2~3泊が一般的で、旅程には半日程度の自由時間が組み込まれているケースが多い。那覇市内は国際通りや首里城など修学旅行生が立ち寄るスポットも多く、路線バスを使った観光プランが作りやすい。各自で市内のホテルに直接戻るということも可能で、1日分の観光バス利用を抑えることができる。

 担当者は「修学旅行生と分かるような腕章などを学生に配布すれば運転手とのコミュニケーションが生まれる。周囲が気に掛けてくれれば事故防止にもつながる」と波及効果に期待する。

 現在県内を走る路線バスのデータを集めており、今後はそれを基にアプリの開発を計画中だ。担当者は「アプリになれば県民のバス利用も促進できる。さらに多言語対応へ機能強化することで外国人観光客も利用が可能だ」と語る。新たな取り組みが長年の課題解決の一歩になるかに注目が集まる。