【南城】ウンチェーバー(エンサイ)の水耕栽培で農業用ため池の水質を改善する沖縄県内初の取り組みが13日、南城市玉城前川で始まった。有毒でカビ臭や配水施設の目詰まりの原因となる藻「アオコ」の発生抑制が目的。市管理の前川3号貯水池で、地元の小学生や大人ら60人超が、苗を植えた箱を水中に浮かべた。県と市、地域貢献として取り組む沖縄環境分析センター(宜野湾市)は、効果が確認できれば取り組みを広げる考えだ。

ウンチェーバー(エンサイ)の水耕栽培で貯水池の水質を良くしようと、苗を植える子どもたち=13日、南城市玉城前川

水面に置かれたウンチェーバーの苗。農業用ため池は、アオコの発生で緑色に変色している

ウンチェーバー(エンサイ)の水耕栽培で貯水池の水質を良くしようと、苗を植える子どもたち=13日、南城市玉城前川 水面に置かれたウンチェーバーの苗。農業用ため池は、アオコの発生で緑色に変色している

 農業用ため池は、雨と共に地表の肥料も流れ込む。「富栄養化」すると植物プランクトンが異常繁茂し、アオコが発生する。根が水中に伸びるウンチェーバーをため池に浮かべて育て、リンやチッソを吸収させ、アオコの発生を抑えることが目的だ。岐阜県などで既に取り組まれており、成果を挙げているという。

 県が状況を点検しやすい那覇市近郊にあり、また、市が協力的なこともあり前川区での実施が決定。この日は、少年野球チーム船越ホワイトタイガースや前川区子供会の小学生などが、藻で緑色になった池の前で作業した。

 小学生たちは、根は水中に伸びるが、土は漏らさないネットを入れた箱に苗約430本を移し替えた。箱はその後、管で固定した浮島に設置。貯水池は約50メートル×約40メートル、有効貯水量1万693トン。11月すぎには効果が表れると、関係者はみている。

 野球チームのキャプテンで船越小6年の嘉数翔太君は、「貯水池も青くなると思う。地域のために活動した後、友だちと遊べるので楽しい」と話す。當山全章自治会長(66)は「地域のためになるならと思い取り組んだ」という。

 當山さんは、野菜栽培で収益が出たら、作業に協力した野球チームや前川区子供会などに寄付すると言い、作業する小学生を喜ばせた。