2018年(平成30年) 6月19日

大弦小弦

[大弦小弦]社内に流れる共同通信のニュース速報で恩師の訃報を知り、体中の・・・

 社内に流れる共同通信のニュース速報で恩師の訃報を知り、体中の力が抜けた。元共同通信編集主幹でジャーナリストの原寿雄さんが11月30日に亡くなっていた(7日付)。92歳

▼戦前は皇国少年だったという。海軍経理学校の11カ月間で受けた理不尽な鉄拳は同期最多の約2千発。戦後、自由な社会の実現を求めて記者になった

▼1952年、大分県菅生村で交番が爆破され、共産党員5人が逮捕された。原さんら取材班は事件が警察の自作自演であることを暴く。その際、警察が5年間かくまっていた首謀警官の隠れ家を突き止めて踏み込み、捕まえるまでしてしまった

▼この時、平気で謀略を図る権力の恐ろしさと、記者職のやりがいを知ったという。だからこそ官庁などの提供情報に依存する報道を「発表ジャーナリズム」と呼び、警鐘を鳴らし続けた

▼退職した93年、東京の大学で説き始めた「新聞学」を、私はモグリで1年間聴講した後に記者になった。時折、叱咤(しった)の私信が届く。「記事を浪費していないか」「今書く記事は、そのまま歴史になるのだと自覚しているか」

▼改憲を押し進める安倍政権には強い危機感を抱いていたが、「絶望するな」が口癖だった。「まだ『表現の自由』はある。相手が諦めるその日まで、互いに行使しよう」。ぼけっとしていたら怒られそうだ。(磯野直)

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