米軍ヘリの窓落下事故に対する抗議の輪がさまざまな所で、日を追うごとに広がっている。

 CH53E米軍大型ヘリから金属性の枠がついた重さ約7・7キロの窓が普天間第二小学校のグラウンドに落下したのは13日のことである。落下時、グラウンドでは60人近い児童が体育の授業を受けていた。

 事故発生後、県や宜野湾市、県議会、市町村議会、教育団体、市民団体などによる抗議行動や決議が続いている。

 県高校PTA連合会など教育関係団体は29日、宜野湾市役所前で抗議大会を開く。

 22日に急きょ、県庁で記者会見し、大会開催をアピールしたときには、肝心の会場が決まっていなかった。そのこと自体、受けた衝撃の大きさを物語る。

 琉大、沖国大などの大学人が呼びかけ人となって発表した普天間飛行場閉鎖を求める抗議声明も、メールで賛同者を募ったところ、22日の会見までに、1週間足らずで117人が名を連ねた。

 事故に対する怒りと不安だけではない。事故発生と再発防止を繰り返す政府や米軍に対する不信感は根深い。

 今、求められているのは、子どもたちが安心して学ぶことのできる学習環境、命と暮らしが脅かされることのない生活環境を1日も早く実現することだ。

 こんな当たり前の権利が享受できないのは国内で沖縄だけである。

 惨事に至らなかったことを「最後の警告」と受け止め対策を講じる必要がある。

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 小野寺五典防衛相は24日、事故現場を視察し、「あってはならないことだ。幼稚園も併設されており、上空を飛ばないよう米側に強く言いたい」と記者団に語った。

 政府と米軍は、CH53Eの飛行再開にあたって「最大限可能な限り学校上空の飛行を避ける」ことを明らかにした。沖縄防衛局は、普天間第二小への監視カメラ設置を提案している。飛行状況を確認するためだという。

 フェンスを隔てて基地と隣接する普天間第二小の危険性除去が緊急性を要するのは疑う余地がない。

 だが、危険性の除去はそれだけでは済まない。宜野湾市によると、飛行場の周囲には学校や公共施設などが約120カ所存在し、市民は絶えず墜落の危険性と騒音被害にさらされている。

 飛行場が構造的欠陥を抱えているだけでなく、CH53Eの老朽化や、整備費不足による故障の増加、パイロットの訓練不足など、不安のタネは尽きない。

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 普天間飛行場の危険性除去は、後回しのできない緊急の課題である。

 これまで飛行経路の変更など、さまざまな対策を講じてきたが、事故の再発を防ぐことはできなかった。飛行場閉鎖に着手する以外に、危険性除去の抜本的な方法がないことは明らかである。

 抗議行動が「いつものパターン」に終始すれば、政府や米軍の対応も「いつものパターン」を出ることはない。命と暮らしを守る新たな県民ぐるみの取り組みが必要だ。