「改善されるか大いに疑問」。沖縄の基地問題を取り上げた東京MXテレビの番組「ニュース女子」で基地反対派に日当を払っているかのように放送された人権団体「のりこえねっと」は14日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が同局に対して出した意見についてこう声明を出した。

東京MXには「重大な放送倫理違反があった」とする意見を公表したBPO放送倫理検証委員会の川端和治委員長(右)=東京都・千代田放送会館

 声明では「(番組の)制作会社は、のりこえねっとおよび沖縄基地反対運動をしている市民を陥れるために意図的に制作した」と指摘し「委員会が制作意図に言及していないことは非常に残念」などとしている。

 同日に発表された委員会の意見は同局に対し「重大な放送倫理違反があった」と批判した。この意見は、フジテレビのバラエティー番組「ほこ×たて」と、NHK「クローズアップ現代」の「出家詐欺」報道以来3件目だ。しかし、のりこえねっと共同代表の辛淑玉(シンスゴ)さんは「ネットは野放しで、デマを流した問題の解決には至っていない。制作会社はデマを流すことが目的。マイノリティーの状況をマジョリティーが自らの問題として受け止めなければ、この嵐は止められない」と危惧する。

 実際、この制作会社が運営するネット番組「真相深入り!虎ノ門ニュース」では12日、出演する作家百田尚樹氏が、米軍ヘリの部品が屋根に落下したとみられる緑ヶ丘保育園の事故について「調べていくと全部うそだった」「誰かがどっかから取り出してきて屋根の上に置いた可能性が高い」と述べた。

 同園には「でっちあげて、よくそんな暇あるな」などと連日、中傷の電話やメールが続く。神谷武宏園長は「声は沖縄なまりではない」と話す。13日に米軍ヘリの窓が落下した普天間第二小学校や宜野湾市教育委員会にも22日までに計31件の中傷があったという。一方、激励も計13件あり、市教委の担当者は「負けないでというメッセージだと受け止めている」と話す。

 やまない沖縄への誹謗(ひぼう)中傷。メディア社会学の砂川浩慶立教大教授は「中傷は日頃の不満のはけ口だろう。ネット情報をうのみにする人は増えており、大手メディアはネットへの情報発信を積極的にし、デマへの反証を細かく行ってほしい」と話している。(社会部・伊藤和行)