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  • 街路樹の剪定枝で畜産用オガコ(おがくず)を作る事業を県が始める
  • 都市化に伴い、多くの苦情を受けて廃業する養豚農家も少なくない
  • オガコは豚舎の悪臭の原因のアンモニアなどを水洗よりも減らせる

 沖縄県は2015年度から、廃棄物として処理されている剪定枝(せんていし)を活用し、畜産用オガコ(おがくず)をつくる「未利用資源活用畜産オガコ生産モデル事業」を始める。養豚農家密度が高い県内で、脱臭作用に優れたオガコを安価で安定的に生産し、普及を促進する。豚に有害な樹木のリストと県内の分布図も作成し、安全性も確保する。15年度の事業費は約1185万円。3年間の事業で、一括交付金を活用する。(新垣卓也)

オガコ生産モデル事業のイメージ

オガコ敷料で飼養されている豚=今帰仁村・県畜産研究センター(県農林水産部提供)

オガコ(県農林水産部提供)

オガコ生産モデル事業のイメージ オガコ敷料で飼養されている豚=今帰仁村・県畜産研究センター(県農林水産部提供) オガコ(県農林水産部提供)

 県畜産課によると13年時点の県土面積1平方キロメートル当たりの養豚農家戸数は、沖縄が約0・12戸で全国一密度が高い。

 10年の県内養豚農家の戸数は381戸だったが、14年には344戸に減少。都市化に伴い豚舎の近くに住宅が増え、悪臭などへの苦情が発生しやすい環境に変化。多数の苦情をきっかけに辞める養豚農家も少なくないという。

 県畜産研究センターの研究ではオガコを敷料にした場合、ふん尿を洗浄する水洗方式に比べ、悪臭の原因とされるアンモニアが51%、硫黄化合物類が60~100%、低級脂肪酸類が91~100%減少した。

 樹木が少ない県内では、オガコの生産業者が十分な量を供給できない現状もあり、オガコの普及率は1割に満たない。

 本事業では県内の街路樹などの剪定枝を活用。年間約8万トン排出されている剪定枝のうち、4万トンで県内の全養豚農家分のオガコが生産可能だという。1立方メートル当たり3千~4千円で販売されているオガコの低コストも図り、2千円程度での供給を目指す。

 また、毒性をもつ街路樹のリストと分布図も作成。安心・安全なオガコをつくるためのデータとして活用する。業務は県環境科学センターに委託する。

 県の担当者は「養豚農家が減少する中、オガコの普及が課題となっている。ふん尿を吸収したオガコの堆肥化も進め、環境保全型の畜産の推進を目指す」と話した。