県立首里高校=那覇市首里真和志町=の旧音楽室に別れを告げようと12月28日、教室を活用した吹奏楽部のOBや指導者が集まり、廊下の壁に「寄せ書き」を残すなど音楽に情熱を傾けた時代を懐かしんだ。

首里高吹奏楽部の草創期を指導者として関わり、旧音楽室のお別れ会で壁に寄せ書きをした(右から)富原守哉さん、名渡山愛文さん、崎山用豊さん=28日、首里高校旧校舎管理棟5階

 同校吹奏楽部は復帰前の1971年に沖縄から初めて全国大会に出場し、金賞を受賞した伝統校。旧音楽室は管理棟5階にあり、新校舎の音楽室へ移転する今月中旬まで35年間使用。同校吹奏楽部顧問の高江洲奈(だい)教諭(42)が「歴史ある部活で思い出深い音楽教室や部室の最後を見てもらいたかった」とOBに呼び掛けた。

 部員を率いて全国大会へ3度出場した元音楽教諭の名渡山愛文(よしふみ)さん(83)は76年から8年間勤務。旧音楽室を設計する際にもアイデアを出した経緯があり「広々とした造りでまだ使えそうだ」と残念そう。賞状やトロフィーを飾っていた展示スペース横の壁に「すばらしかった たのしかった Band Chorus(バンド、コーラス)」と書いた。

 71年の金賞チームを率いた元音楽教諭の富原守哉さん(81)は旧校舎以前の戦火をくぐり抜けた音楽室で指導。「この建物の前に勤めていたが、なぜか懐かしい」と吹奏楽部の歴史を回顧。同じく元音楽教諭で2度目の金賞時に指導した崎山用豊さん(81)も「首里高校の音楽は永遠に」と寄せ、20代の若いOBに伝統を伝えた。

 38期生で2度全国大会に出場した粟国朝厚さん(53)は現在もトランペット奏者としてクラシックやジャズ分野で活躍。「私の人生の基盤すべてがこの音楽室や校舎にある。今日で見納めは寂しい」と最後に持参した楽器で演奏した。