【ジュネーブ22日=阿部岳】沖縄県の翁長雄志知事は22日、人権理事会での訴えを終え、国連欧州本部を後にした。練りに練った2分間の声明について「エキスを伝えられた」と振り返った。国連で長く活動する先住民や記者は、知事の訪問を評価した。

内外のメディアと会見し、基地問題について考えを述べる翁長雄志知事(左)=スイス・ジュネーブの国連欧州本部

 21日の理事会での声明へ向け、文案をスイスに向かう機上でも練り続けた。2分間の制約に「言葉を削って、1分50秒になるとまた言葉を入れたい、と10回くらい手直しした」と笑った。

 本番では、内外の報道陣約20人が知事にカメラを向けた。驚いた出席者に「あれは誰なの」と問われた海外通信社のカメラマンは「ロックスターですよ」と笑いを誘った。

 理事会会場には、円卓が幾重にも重なる。最後の列に座った知事は落ち着いた口調で「議長」と切り出し、世界に向け訴えた。

 発表を終えた知事は、「3カ所ミスがあった」と言いながらも、表情を和らげた。「日米両政府という大きな権力の中に、私たち小さな沖縄県が理不尽な状況を強いられている。正当な権利、正義を訴える方策として(国連の場は)大きな力になる」と意義を語った。

 22日には国連欧州本部内で報道陣に向けて記者会見を開いた。新基地建設が進む名護市辺野古の自然の豊かさを紹介し「工事の様子の映像を配信してもらって、皆さんの価値観で、世界中の人に判断してもらいたい」と訴えた。

 世界の新聞に寄稿する南アフリカ人のジャーナリスト、ピーター・ケニーさん(65)は「知事は自治を求めているのか、独立を求めているのかが知りたい。基地や自衛隊の問題に関心を持っていきたい」と話した。

 別の海外大手報道機関の記者は「知事の発言に全て同意する。理事会での発言そのものよりも、私たちの報道で問題が世界に広がったことが役に立つのではないか」と語った。

■人権理事会で知事に反論も

 【ジュネーブ22日=阿部岳】名護市の我那覇真子さん(26)が22日、国連人権理事会で翁長雄志知事に反論する声明を発表した。「中国は、(県民に)先住民であると言わせて(沖縄を)独立させようとしている。私たちは先住民ではない。プロパガンダを信じないでください」と訴えた。

 同時に、同行した砥板芳行石垣市議の書面を紹介し、「知事は無責任にも、米軍基地が日本とアジア太平洋の安全に果たす役割を無視している」と批判した。