琉球大学熱帯生物圏研究センター西表研究施設の成瀬貫(とおる)准教授と県立芸術大学の藤田喜久准教授の共同研究チームはこのほど、伊江島の海底洞窟で新種のカニを発見した。発見地にちなみ学名を「リプケメラ・イエジマ」、和名を同研究に貢献した伊江島ダイビングサービスの湯野川恭さんにちなんで「ユノカワヒラオウギガニ」とし、11日付の学術誌に発表した。

ユノカワヒラオウギガニ(藤田喜久准教授提供)

 新種のカニは甲羅の幅が2・5センチ程度の小型種で、甲羅の背面が平滑なのが特徴。従来、リプケメラ属は4種が知られていたが、頭胸甲や雄の生殖肢の形態がどれとも違うことから新種と認めた。

 同属のカニでは初の海底洞窟性の種。通常、海底洞窟に生息する甲殻類は暗所環境に適応して目が退化したり、触角や脚が長くなるが、ユノカワヒラオウギガニには見られなかった。

 藤田さんは「海底洞窟に生息するカニ類の退化・進化を考える上でも興味深い。伊江島の海の特殊性を考える上でも貴重な発見だ」と話した。