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  • 那覇市の牧志公設市場を移設する案に市場側が猛反発している
  • 市場は1950年開設。年間226万人が訪れるが、建物の老朽化が問題に
  • 市は安全・費用面からにぎわい広場での建て替えを提案している

 「那覇の大市場(ウフマチ)」である第一牧志公設市場が老朽化に伴う建て替え問題で揺れている。那覇市は市議会9月定例会で、現在地建て替え案などの3案から、約100メートル離れた市松尾の「にぎわい広場」への移転案を選んだと示した。市担当課は「まだ決定プロセスに入ったわけではない」とするが、市場側は現地建て替え案を望んでおり、「既定路線だ」と反発している。(那覇担当・我喜屋あかね)

臨時総会では市の説明に組合側は猛反発。多くの関係者や報道陣が詰め掛けるなか、議論は平行線のまま閉会した=16日、那覇市・第一牧志公設市場

 那覇市の担当者は「いまの市場ではあと10年ももたない」と、現行の建物の安全性について強い危機感を示す。1950年に開設。72年に改築し、今や年間約226万人が足を運ぶ有数の観光施設になっている。だが、06年の耐力度調査では、建物の老朽化が指摘され、建て替えか改築が必要だと判断された。

 市は昨年、関係部局の部長職で構成する中心市街地活性化推進本部を設置。(1)安全性・防災機能(2)にぎわいの維持・創出(3)コスト縮減(4)まちなか居住への寄与(5)市場機能の充実・継続性(6)将来における中心商店街の再整備-の6項目の検討を重ね、8月末、候補地案としてにぎわい広場への移転案を選んだ。

 一方、市場の関係者は「いまの公設市場への人の流れは宝だ」と現在地での建て替えを望み、移転案に反対している。ガーブ川中央商店街組合の大城盛仁組合長は「商店街と市場は一体となって成り立っている。動線が変わるのは死活問題だ」と危惧する。

 にぎわい広場は廃業した第二牧志公設市場があった場所。中心商店街連合会の上原正敏会長は「国際通りからは坂道になる。坂がある場所では商売はできない。経費的に安いから移ろうという考えはやめてほしい」と訴える。

 16日の同市場組合の臨時総会では、組合員や関係者ら約140人が参加。市の職員や部長職が出席し、選んだ経緯や位置が決定したわけではないことを説明したが、組合員からは「まちぐゎーをつぶす気か」と猛反発。建て替えではなく、現市場の改修を支持するなど、総会は紛糾した。

 粟国智光組合長は「説明を受けてもみんな不安視している。市場事業者の意見が取り入れられていない。持ち帰ってほしい」とし、具体的な結論が出ないままに閉会した。

 粟国組合長は「全国でも注目されており、失敗は許されない。市には緊張感がない」。17日に予定されていた同市場再整備基本計画策定事業外部検討委員会について、市は「市場事業者への説明を尽くす必要がある」とし、延期を決定。開催日は未定のままだ。市は当初、10月までに建て替え位置を決定、今年度中に基本計画を策定する予定だったが、市担当課は「予算の繰り越しも念頭に入れながら、丁寧に議論を重ねていきたい」とする。10月には市場関係者への説明会も予定されている。信頼関係の再構築に向け、今後の市の対応が注目される。