沖縄県糸満市大里の富士盛産業のリサイクル工場で火災が発生してから一夜明けた3日、市農村環境改善センターなどに避難していた介護福祉施設「いとまんシャトー」の入所者全員が正午までに施設へ戻った。慣れない避難先で不安な夜を過ごしたお年寄りたち。焼け焦げた臭いが立ち込める中、工場に隣接した施設に戻り、一様に疲れた表情を浮かべていた。

「不安で眠れなかった」 リサイクル工場火災から一夜 避難した高齢者、無事施設に戻る

 大城節子さん(89)は避難する際に立ち上る煙を見て怖い思いをしたといい「昨日は不安で眠れなかった。火事は二度と起きてほしくない」と不安げに話した。

 盛島文子さん(85)は「火が施設に燃え移っていないか心配だった。無事に戻って来られてほっとした」と安堵(あんど)した様子だった。同施設では2日午後、入所者83人と職員14人が避難。消防側との協議の結果、同施設の安全性を確認し、3日午前に入所者を施設に戻すことを決め、通常業務を再開した。

 大城初美施設長によると、避難後に体調を崩して熱を出したり、「怖い」と訴えたりした入所者もいたという。また、同日午前11時ごろ、富士盛産業の社長が施設を訪れて、疲れた様子で「すみません」と繰り返し頭を下げたという。

 施設では工場に面した西側2階の窓ガラス5枚にひびが入ったほか、エアコンの室外機7台が焦げた。

 大城施設長は「入所者に心配を掛けた。家族にも安心してもらえるよう設備の復旧や入所者の精神的ケアに努めたい」と話した。