「城巡り」がブームと聞いてはいたが、これほどまでとは。元日の午後、琉球王国の関連遺産群として、世界遺産に登録されている勝連城跡を訪ねた。駐車場は満車状態。ほとんどが観光客で、中国や韓国など外国人も多く見かけた

▼小高い丘に琉球石炭岩の切り石が絶壁のように積み重なり、美しい曲線を描く城壁。視界を遮るものはなく美しい海、知念半島から山原まで見渡せる

▼御嶽には祭(さい)祀(し)をつかさどる神人たちが座った石の列が、厳かに並ぶ。首里王府に攻められた城主・阿麻和利が、身を隠し逃げ延びたという伝説が残るガマも保存。スマホでQRコードを読み込むと多言語でガイドが聞け、城内の生活を再現した映像も見られる。14~15世紀に中継貿易で栄華を極めた時代の浪漫をかき立てられる

▼勝連城跡は昨年、旅行口コミサイトの「旅好きが選ぶ! 日本の城ランキング」で全国7位と県内で最も高い評価を受けた。今帰仁城跡が8位、首里城は14位だった

▼斎場御嶽など他の世界遺産にはすべて足を運んだが、実家から車で10分足らずの勝連城跡は「いつでも行ける」と車で通りすぎ、城内に入ったことはなかった

▼民俗学者の柳田国男は、首里文化とは異なる勝連文化圏の存在を指摘している。足元の史跡を訪ね、先人が築いた歴史に思いをはせた。(知念清張)