【うるま】空手の道を究め、上地流古来の形の継承に努めるのは沖縄上地流唐手保存会で指導する範士十段の高良信徳さん(85)=うるま市=だ。眼鏡の奥からのぞかせる優しい瞳も、ひとたび空手着に袖を通すと一変。鋭い眼力と腰の入ったキレのある技が見る者を圧倒させる。(伊禮由紀子)

力強い形を披露する高良信徳さん。伝統的な上地流の形を国内外の教え子に指導している=うるま市

 高良さんは「健康のために空手を続けてるの」と言いつつ、気迫のこもった力強い形をみせてくれた。 

 20歳の時に門をたたいたのは沖縄に「上地流」を誕生させた上地完英の道場。軍作業員をしながら、かやぶき家の道場で来る日も来る日も練習に汗を流した。「戦後間もない時代に、空手を通して仲間と集まるのが楽しくて。気付いたら60年以上続けてたよ」と笑う。

 その後コザと宜野湾で空手を教え、海外でも普及に尽力。計8回の渡米で教え子は数百人以上だ。

 現在は週1回息子の道場に通い、家では毎日突きや蹴りの形を反復。「そういえば鍛えているからか足も腰も痛くなったことないね」とダンベル運動も欠かさない。

 3カ月前にはひ孫の幸希君が生まれた。

 「大きくなったら空手を一緒にやりたい」とひそかに思っている。