沖縄県石垣市新川の入嵩西清佐さん、秀さん夫妻は、17歳の正月に出会って85年。今年も自宅で新年を迎えた。共に1916(大正5)年生まれの101歳。家族そろって過ごした元日、仲むつまじい夫妻は共に八重山民謡「デンサー節」を口ずさんだ。子や孫らに囲まれ「幸せいっぱいさ」と顔をほころばせた。

共に101歳。今年で結婚81周年の入嵩西清佐さん(右)、秀さん夫妻=1日、石垣市新川(孫の入嵩西由美子さん撮影)

結婚後間もない頃に自宅庭先で記念撮影する入嵩西清佐さん(右)、秀さん夫妻=清佐さんの自分史「八寿を迎えて-新川村と共に」から

正月で集まった子や孫とともに記念撮影する入嵩西清佐さん(前列右から2人目)、秀さん(同3人目)夫妻=1日、石垣市新川(家族提供)

共に101歳。今年で結婚81周年の入嵩西清佐さん(右)、秀さん夫妻=1日、石垣市新川(孫の入嵩西由美子さん撮影) 結婚後間もない頃に自宅庭先で記念撮影する入嵩西清佐さん(右)、秀さん夫妻=清佐さんの自分史「八寿を迎えて-新川村と共に」から 正月で集まった子や孫とともに記念撮影する入嵩西清佐さん(前列右から2人目)、秀さん(同3人目)夫妻=1日、石垣市新川(家族提供)

 33年に出会った後、秀さんが台湾、清佐さんは石垣と離れ離れに。遠距離恋愛は手紙のやりとりで乗り越え、37年2月に結婚。4男2女に恵まれた。

 今は市内の介護老人保健施設で暮らす清佐さんは元日に自宅に戻り、ちょっとだけビールを口にしてデンサー節を披露。

 そばにいた秀さんも、思わず口ずさんだ。夫婦円満の秘訣(ひけつ)を「(心は)いつも一緒」とはにかんだ。

◆手紙が育んだ愛

 共に101歳の入嵩西清佐さん、秀さん夫妻=石垣市新川=は、2月で結婚81周年を迎える。夫婦仲を「口論はするけどけんかはしたことないよ」と秀さん。清佐さんは足腰が弱り市内の介護老人保健施設で暮らすが、以前は朝から2人で家庭菜園の野菜をおひたしにしてつまみながら茶を飲み、会話を楽しむのが日課だったという。

 市新川の近所で育った2人だが、出会いは17歳のころ。正月で、日々の農作業から解放された若い男女が集い、おしゃべりを楽しむ中、たまたま仲間に入りそびれた2人だけで話をすることになり意気投合。そのまま互いに夢中になり、結婚まで約束した。

 だが当時、秀さんは祖母と2人暮らし。家族は父の仕事の関係で台湾で暮らしていたため、結婚の承諾を得られないまま月日が流れた。秀さんも間もなく台湾に呼ばれたが、2人は手紙で愛を育み続け、2年後に清佐さんが台湾へ渡り、結婚の承諾を得た。

◆正直に生きる

 後に市議会議員や教育長などを歴任した清佐さんだが、実家は地域で名のある大農家。秀さんは父親に当初反対されたと明かし「皆をまとめる大農家の厳しさを知ってるし、子どもが苦労するのを見たくないからってね。でも、やっぱり好き同士になったんだから仕方ないでしょ」

 37年2月に結婚し、4男2女に恵まれた。「とても仲が良くて、地域の人がうらやむほどだったさ」と秀さん。昨年2月には結婚80周年の「樫(かし)婚」を迎えた。現在は孫8人、ひ孫11人いる。

 元日の1日、5時間ほどの限られた時間を家族や親戚と過ごした清佐さんは「全員そろって正月を迎えられてうれしい」と喜んでビールを少しだけ飲んだ。

 円満の秘訣(ひけつ)について秀さんは「(心は)いつも一緒。夫婦なら、めいめいで分かるさ」とはにかみ、「正直は一生の宝。これを心に秘めてれば絶対悪いことはやらないさ。正直に生きてればいつまでも健康でおれますよ」と笑った。(八重山支局・新垣玲央)