「モンパチ」の愛称で全国区の人気を獲得し、まっすぐな楽曲で幅広い年齢層を引き付けてきたモンゴル800が、2018年に結成20周年を迎えた。3人は「長かったような、短かったような…」と異口同音に振り返る。01年、アルバムの爆発的ヒット以降、沖縄で育んだ感性で作り上げた楽曲をひっさげ、全国各地でライブを展開。自然体を貫いてきた3人の誠実な音楽が、今年も響き続ける。(学芸部・松田興平)

20周年を迎えたモンゴル800。(右から)儀間崇、上江洌清作、高里悟=宜野湾市・ピーエムエージェンシー

カウントダウンライブで、結成20周年を幕開けしたモンゴル800=宜野湾市・沖縄コンベンションセンター展示棟

20周年を迎えたモンゴル800。(右から)儀間崇、上江洌清作、高里悟=宜野湾市・ピーエムエージェンシー カウントダウンライブで、結成20周年を幕開けしたモンゴル800=宜野湾市・沖縄コンベンションセンター展示棟

高校在学中に

 ボーカル・ベースの上江洌清作(36)、ギターの儀間崇(37)、ドラムのは高里悟(37)がバンドを組んだのは高校在学中。儀間の声掛けがきっかけだった。

 中学の時にギターを始めていた儀間と、「どのバンドでもベースが余っていたから」という上江洌、「バンドを組んでから、ちゃんとたたき始めた」という高里。ザ・ブルーハーツやハイ・スタンダードをコピーして楽しんだ。90年代後半、全国に多くいた10代バンドの一つだった。

 3人にはキャッチーなオリジナル曲を作り、ライブ会場を魅了する力があった。

爆発的ヒット

 転機は早かった。結成から3年でリリースしたセカンドアルバム「MESSAGE(メッセージ)」が爆発的ヒット。これまで300万枚を売り上げる。インディーズ史上最多セールス、売り上げランク首位獲得など前代未聞づくしだった。

 当時学生だった3人は学業優先という理由でメディア露出は、ほぼ皆無。

 儀間は「車の整備士になるつもりだった」、上江洌も「紅白打診を2回もらったけどお断りした。それ以来なし」と笑い合う。高里は「まったく顔が知られず、普通に過ごせたことが良かった」と、音楽の感性を維持した。全員が卒業した2004年から本格的なツアーを開始する。相変わらずメジャー志向はないけれど、人気は高い。そんな3人が全国へ行くと業界関係者から異質な目で見られることもあったという。

 上江洌は「売れ始めのモンパチは理解不能だったかも。僕たちもよく分からなかった。今になって評価してもらえている気がする」と語る。

沖縄発の感性

 初アルバム「GO ON AS YOU ARE(ゴー・オン・アズ・ユー・アー)」はライブが似合うノリの良い楽曲が中心だった。印象が変わったのは転機にもなった2枚目の「メッセージ」。

 バンドサウンドと飾らない言葉の組み合わせは、聴く者の心に深く入りこんだ。

 高里は「バンドとして方向性をシフトしたつもりはない。ただ、清作が初めて『矛盾の上に咲く花』を聞かせてくれたときは衝撃を受けた」と振り返る。

 その後もレゲエテイストの曲などを盛り込んだ1枚や、時事的メッセージが印象深い作品など、特色あるアルバムを発表。

 儀間は「思想とかじゃなく、モンパチの歌詞は沖縄に住んでいたら普通に抱く感覚から生まれていると思う」と説明する。

夏フェス主導

 モンパチ以降、「HY」「オレンジレンジ」ら県出身バンドが後を続くように全国で活躍。ただ、当人たちに道筋をつくった意識はない。

 「いいバンドがいい作品を作り続けているだけだと思う。別に自分たちは関係ないんじゃないかな」と上江洌。

 それでも沖縄を代表するバンドであることは間違いない。3人主導で続けている夏フェスは毎回メンバーが豪華だ。小田和正、加山雄三、ドラゴンアッシュ…。バンドとしての人徳と作品の説得力が人脈につながっている。

広がる年齢層

 バンド初期を支持した10代ファン、それに伴ってライブに足を運んでくれたその親世代、それぞれが年を重ねて家族も増え、観客の年齢層が広がっているという。節目イヤーは各年齢層を意識したライブや県立博物館・美術館での企画展などを予定する。

 儀間は「全力で頑張る中、挑戦できるものを見つけたい」と肩肘張らずに構える。

 上江洌は「いろんなことをさせてもらえるのは周りが認めてくれ、期待してくれているからだと思う」と周囲への感謝を口にする。

 高里は「この一年駆け抜けていく中で、また新たな出会いや発見があるかもしれない」と顔をほころばせる。

 マイペースと形容されることが多い3人。じっくり自分と世界を見つめ続ける中で、生まれる音楽の魅力がある。

 【モンゴル800】 儀間崇、上江洌清作、高里悟による浦添高校の同級生で1998年結成。2000年に未発表曲「あなたに」が全国テレビCMに採用されて反響を呼ぶ。16年発売のアルバム「プリティーグッド!!」ではバンド初期をほうふつさせる明るいサウンドでファンを喜ばせた。17年には大分と熊本の震災被災者に向けた「宝物」をリリース。

豪華にカウントダウン 4200人熱狂

 モンゴル800のバンド結成20周年幕開けを飾るカウントダウンライブが12月31日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター展示棟であった。豪華ゲストがモンパチの節目イヤーのスタートを盛り上げ、集まった約4200人の観客が新年を祝った。

 ビギンやディアマンテス、HY、かりゆし58、きいやま商店ら県内人気バンドが続々と出演した。トリには主役のモンパチが登場し、力強いバンドサウンドを披露。ファンと会場の空気を共有しながら年越しを味わった。