「10年後の沖縄の医療はどうなるのか? あなたと家族の医療・介護・福祉を考える」をテーマに琉球大学市民講座が26日、那覇市のタイムスホールで開かれた。県内外5人の医師が登壇。団塊世代が75歳を迎える2025年以降、急増する高齢者を病院だけで支えるのは限界で、地域住民、医療・介護の専門職が連携して在宅で見守る仕組みが必要になると訴えた。市民ら310人が熱心に耳を傾けた。

10年後の沖縄の医療について、会場からの質問に答える登壇者=26日午後、那覇市久茂地・タイムスホール

 県立中部病院の高山義浩さんは、県内は寝たきりなどで介護を受け生きている期間が長い人が際立って多いと説明。一方、病院の病床は飽和状態で、「これからの病院の役割は(患者を)暮らしの場に帰すことだ」と指摘。医師らが近隣住民と連携し、1人暮らしのお年寄りを自宅でみとった事例を紹介した。

 県保健医療部の国吉秀樹さんは10年後に必要な医療を、医師や地域の代表でつくる県地域医療構想検討会議で議論しているとした。

 富山大学付属病院の山城清二さんは、医師不足の地域で実践する、地域医療再生を担う住民マイスター養成の取り組みを紹介した。旭川医科大学の住友和弘さんは、へき地病院や在宅医療の実習体験を通して学生の地域医療に対する関心が高まった事例を示した。福井大学医学部の井階友貴さんは、地域医療の問題を解決するには地域の絆や交流が鍵になると強調した。

 糸満市から参加した介護士の玉城米子さん(65)は「地域で積極的に在宅ケアを進める必要があると感じた。皆で助け合っていくことが大切では」と話した。

 講座は、琉球大学医学部付属病院地域医療システム学講座主催、沖縄タイムス社など共催。