【浦添】仲西地域の住民がこのほど「ふれあい交流獅子」を完成させた。旧暦8月15日の十五夜に公民館の庭に出す以外は門外不出とされてきた神獅子に代わり、あちこち出掛けるという助っ人ならぬ“助っ獅子”。仲西獅子舞保存会は、舞い手の発表の場を増やして仲西を発信しようと意気込んでいる。

ふれあい交流獅子(左)の完成を喜ぶ眞島章次さん。神獅子(右)よりも一歩後ろに安置している=24日、仲西公民館

 現在の仲西の神獅子は、戦後2代目で1978年9月の完成。公民館の敷地内から門外不出とされていたため、同年11月にあった第1回てだこまつりに「今回だけ」の約束で出演して以来、なるべく早くイベント用の獅子を作ろうという雰囲気だったという。

 約10年前に復活した青年会のメンバーが舞い手として成長したのを機に、5年前から話が本格化。夏祭りの収益金におきぎんふるさと振興基金と明治安田クオリティオブライフ文化財団の助成金を合わせ、計約90万円で完成させた。

 頭部は神獅子と同じデイゴ製。県立芸大の建設当時(85年ごろ)に周辺の山から切り出したという木だ。目の部分は真ちゅう製で、取り外して磨ける仕組み。約半年かけて頭部を作った工房「木像」の彫刻師、仲宗根正廣さん(62)=沖縄市=は、神獅子を借りてきて粘土で型を取り、地域の人に模型を十分チェックしてもらった上で作業に入ったと振り返る。

 「獅子の新調は何十年に1回。末永く踊ってもらえるような獅子にしないといけませんから」。リュウゼツランの繊維を結びつけて獅子の胴体にする作業を地域住人のべ60人が担ったことにも「地域の伝統文化は地域で育てるもの。獅子も喜ぶはず」とうれしくなったという。

 約400年続くとされる仲西の獅子舞を守るのは、保存会長の眞島章次さん(58)。「これからは結婚式やハチウクシーの出演依頼にも応えられる。青年会も仲西も、浦添も沖縄全体も獅子舞で元気になっていくといいね。ちょっと話が大きいかな」と笑った。(平島夏実)