沖縄県南風原町の織物工房で働く女性2人が、新成人の娘に南風原花織の晴れ着を贈った。母親たちは「成人式の着物を織れる機会は一生に一度だけで感無量」と喜ぶ。娘2人は「世界に一着だけしかないオリジナル」で式典に臨む。(南部報道部・又吉健次)

母親が織った南風原花織の晴れ着を着ける新成人ら。(右から)新垣ミナ子さんと美南海さん、仲島みずほさんと孝美さん=5日、南風原町喜屋武

 野原織物工房で働く仲島孝美さん(47)=南風原町=と新垣ミナ子さん(46)=八重瀬町=は、工房の野原俊雄代表(66)に勧められ、昨年10月ごろに着手。浮き出た柄が特徴の南風原花織の中でも、工房のある喜屋武区に伝わる技法「喜屋武八枚」に挑戦した。新成人が着けるためピンクや水色に染めた糸を使い、柄も大きくして明るい印象になるよう工夫した。

 新垣さんは1カ月かけて織り、昨年12月に仕立てられた着物に「かわいらしくて胸がいっぱいになった」と喜ぶ。長女で専門学校生の美南海さんは「お母さんの気持ちが込められている。こんな着物が織れるなんてすごい」と話す。

 「仕事でやってきた織で晴れ着を作ることができて感無量」と話す仲島さん。千葉県の大学に通う長女みずほさんは「伝統工芸品を織るお母さんはすごいと思った」と笑顔を浮かべる。

 糸を染めるなど手伝った野原代表は「成人式で南風原花織を見た同級生や親たちが、関心を持ってもらえたらうれしい」と話した。