沖縄市出身の映画監督で慶応大3年の仲村颯悟さん(21)が3日、短編の映像作品「The island's will」を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した。

短編映像作品に込めた思いを語る仲村颯悟さん=4日、那覇空港

 昨年、沖縄戦で「集団自決(強制集団死)」が起きた読谷村のチビチリガマが少年らに荒らされた事件をきっかけに制作。4分間の映像で、英語の字幕をつけた。ガマの千羽鶴、金髪の少年、カチャーシーの手など沖縄の情景が断片的に映し出され、ナレーションで「君よ」と繰り返し語り掛ける。

 2年ほど前、チビチリガマを遺族と訪れたことがある仲村さんは、県内の少年らが起こした事件に心を痛めると同時に「遺族の方から聞いた話を下の世代に伝えてこなかった」と自分を責めた。「作中の『君』は後輩だけでなく、沖縄戦の悲惨さを伝えてこなかった自分や上の世代にも呼び掛けている」という。

 沖縄の基地問題を扱った前作「人魚に会える日。」は伝えたい思いが制作の原動力だった。今回は「自分が事件を忘れないために作った」と明かす。当初、公開は考えていなかったが、「誰かが沖縄の抱える問題に向き合うきっかけになるなら」と投稿した。

 「僕たちは戦争経験者の話を聞ける最後の世代。沖縄の過去や問題にしっかり向き合い、発信していかなきゃ」。自分に言い聞かせるように、前を見据えた。