2020年東京五輪の追加種目として大会組織委員会は空手など5競技、合計18種目を選定し、国際オリンピック委員会(IOC)に提案することを決めた。

 正式には来年8月にブラジル・リオデジャネイロで開く総会で決定されるが、種目追加検討会議の御手洗冨士夫座長は、IOCと協議しながら選定を進めてきたことを明らかにし「可能性は非常に強い」との見通しを示した。

 空手はいうまでもなく沖縄が発祥の地である。追加種目として提案されることが決まったことをまず喜びたい。過去3度とも落選していただけになおさらだ。

 気が早いといわれるかもしれないが、正式決定されれば、4年に1度のスポーツの祭典で、空手が名実ともに世界に認知されることになる。発祥の地、沖縄への関心が高まることは間違いないだろう。

 空手は191の国と地域で約6千万人の競技者がいるといわれる。「沖縄詣で」で稽古に励む外国人や、沖縄の指導者が外国に出向くことは珍しくないが、正式決定すればさらに来沖する外国人が増えることが期待できる。

 競技面からも沖縄からはすでに男女とも世界トップレベルの選手を輩出している。東京五輪の晴れ舞台で、県選手の活躍をみたいものだ。

 昨年の世界選手権の男子個人形で、頂点に立った喜友名諒選手(25)は「もっと磨きをかけたい。狙うのはもちろん金メダルだ」。5年後である。若手も切(せっ)磋(さ)琢(たく)磨(ま)し、喜友名選手に追いつき、追い越すような選手が出てきてほしい。

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 空手は琉球古来の「手(ティー)」と中国から伝わった「拳法」が融合し、生まれたとされる。「空手に先手なし」といわれるように、本来は護身術で自己鍛錬の手段だった。

 県は「空手発祥の地」を内外に発信するため、空手の殿堂となる「沖縄空手会館」の建設を豊見城城址公園跡地で進めており、16年度の開館を目指している。

 ばらばらに活動していた県内の空手4団体も統一され08年に沖縄伝統空手道振興会が設立された。

 設立記念の「沖縄伝統空手道世界大会」が09年に開かれ、海外40カ国の700人余りを含む6千人余りが参加した。だが、それ以来、世界規模の大会はない。

 沖縄空手会館の完成をにらみつつ、ハード、ソフトともに受け皿態勢を整え、世界にどう発信するか、いまから知恵を絞ってほしい。

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 空手の裾野は広い。中学校の保健体育で武道が必修化されたが、県内では空手を取り入れている学校が14年度に9割に迫る勢いで圧倒的に多い。必修授業として高2までに初段(黒帯)を目標にしている私立中学・高校もある。

 道場は県内各地に大小多数あり、夕方になると空手着姿で稽古に向かう少年少女を見かけることも多い。

 県は空手を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産へ登録することを目指している。IOCへの提案をチャンスと捉え、関係機関と連携を強化して登録に向け本腰を入れてほしい。