台風21号の影響で最大瞬間風速81・1メートルを観測した与那国町の被害状況が29日、沖縄県のまとめで分かった。住宅10戸が全壊したほか、半壊が27戸、一部破損が282戸確認された。八重山署によると久部良中学校の体育館に避難していた40代の男性が、割れた窓ガラスの破片で足を切るけがをした。同町と石垣市では最大で318人が避難した。

隣の敷地にあったプレハブが強風で飛び、瓦と屋根を支えるはりが壊された民家=与那国町祖納地区(金井瑠都通信員撮影)

台風21号による被害状況

隣の敷地にあったプレハブが強風で飛び、瓦と屋根を支えるはりが壊された民家=与那国町祖納地区(金井瑠都通信員撮影) 台風21号による被害状況

 県によると、与那国町で電柱40本が折れたほか、久部良中の体育館の屋根が一部破損、風圧で窓ガラスが割れた。幹線道路にはトタンなどが散乱している。

 同町上里海岸では、波の勢いを弱めるための離岸堤二つのうち、8月の台風13号で一部が損壊した全長125メートルの離岸堤がすべて崩壊した。残る全長200メートルの離岸堤も20メートルが崩れた。離岸堤を構成する消波ブロックが散乱しているという。台風13号の被害の修復だけで1億3千万円と見積もっていたが、今回の被害を受けて県はあらためて全体の修復費を算出する。

 28日から停電や断水が続き、固定電話や携帯電話、インターネットがつながりにくい状態が続いている。通信ケーブルが損傷したことで、八重山地域の電話とインターネット接続サービスで計1千件の支障が起きた。NTT西日本沖縄支店によると、内訳は29日午後5時現在で、石垣市500件、与那国町400件、竹富町100件。

 与那国島発着の航空便は29日も欠航が相次いだ。琉球エアーコミューター(RAC)では、那覇と与那国などを結ぶ路線計8便で欠航。与那国空港で着陸に必要な無線機材が故障したのが主因。30日は平常運航の予定。全日空(ANA)では、同日午後、落雷の影響で石垣空港が停電し、1便が欠航。沖縄旅客船協会によると船便も、先島諸島航路を中心に99便が欠航した。