【市塚和枝通信員】イタリア全土がクリスマスカラーに彩られた昨年12月、にぎやかなミラノ中心地のサン・バビラ広場にあるヌオーヴォ劇場で2日間にわたり、老人カルチャーセンターの発表会があった。ミラノ市やその郊外には45ほどの老人カルチャーセンターがあり、それぞれコーラス、演劇、ミュージカル、社交ダンスなど幅広いコースで練習に励んでいる。

コーラスのメンバーと大仲利江子さん

日頃の練習の成果を披露した老人カルチャーセンターの発表会=ミラノ・ヌオーヴォ劇場

コーラスのメンバーと大仲利江子さん 日頃の練習の成果を披露した老人カルチャーセンターの発表会=ミラノ・ヌオーヴォ劇場

 日頃の成果を披露する発表会はミラノ市が主催。プロの司会者を起用し、参加者全員が主役、観客も主役という意識が強い。そのため、ただの発表にとどまらず、年齢を重ねたパフォーマンスの高さや、一緒に楽しむという心意気を感じる会となった。

 週1回、コーラスグループを指導しているミラノ在住の大仲利江子さんは那覇市出身。県立芸術大学を卒業後、イタリアに渡り、精力的に音楽活動をしている。老人カルチャーセンター2カ所で指導しているが、イタリアの人生経験豊富なおじいちゃん、おばあちゃんたちはなかなか一筋縄ではいかず、苦労も多いとか。

 だが、堂々と、そして老人を大切するウチナーンチュの魂を受け継いだ指導は好評を得ている。

 大仲さんは「コーラスの指導をして最初にびっくりしたのは、楽譜を見ずに歌詞だけを見て歌うのが普通で、皆とにかく耳がいい。音感がいい。歌唱力のある人が多いと実感した」と振り返る。

 イタリアと沖縄の共通点は「どちらの老人も元気でバイタリティーあふれるところ。そして独自の文化を愛しているところ」とか。

 コーラスのメンバーと音楽を通して向き合っている時は、どちらかというと彼らから生きたイタリア文化を学んでいるとし、「その彼らに、私を通してどこか遠くに沖縄という所があるという認識から始まり、そこにも独自の文化を愛する人たちがいることを感じてもらえたら」と話した。

 大仲さんは年末に帰省し、宜野湾市役所ロビーでミニコンサートを実施した。