米軍が1970年代、沖縄県浦添市の牧港補給地区(キャンプ・キンザー)で環境調査を繰り返し、農薬やポリ塩化ビフェニール(PCB)による高濃度汚染を把握していたことが30日、米軍文書で分かった。農薬のクロルデンは環境省指針の178倍に達した。約40年が経過した今も、汚染が残っている可能性がある。

キャンプ・キンザーの元薬品保管場所

 文書は在日米軍が93年、過去の調査結果を基に作成。英国人ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏が情報公開請求で入手した。

 文書によると45年から73年まで、キンザー内南側の海沿いに薬品保管場所があった。戦争中のベトナムから運ばれた薬品などのドラム缶が、屋根もないまま野積みされていた。

 現在は西洲の埋め立て地に接し、米軍の診療所や野球場がある。返還が日米合意されている第5ゲート周辺の約2ヘクタールにも近い。

 周辺では74年末から魚が死ぬ事例が頻発し、汚染が発覚。75年の米軍調査でクロルデンは2673ppm、同じく農薬のDDTは指針の28倍に当たる1425ppmを検出した。76年の魚の調査では、カワハギからヒ素、ドロクイからPCBが出た。

 環境総合研究所(東京)の池田こみち顧問は「農薬は極めて高い濃度。残留性は高く、汚染が残っている可能性がある。生物への蓄積も懸念される」と指摘した。キンザー周辺のハブやマングースにPCBとDDTが蓄積されているとの最近の研究とも符号する。

 ミッチェル氏は「キンザー返還前に日本側が調査できるかどうかが、発効したばかりの環境補足協定の試金石になる」と指摘した。