2018年(平成30年) 1月21日

沖縄タイムス+プラス ニュース

日本の空をわが物顔 「飛ばないで!」児童の叫び、米軍に届かず 運動場は今も使えず

 米軍普天間飛行場所属のAH1Z攻撃ヘリが沖縄県読谷村に不時着してから一夜明けた9日、米国防長官が謝罪したにもかかわらず、不時着機を含む米軍機はいつも通り飛び、わが物顔で訓練を繰り返した。飛行場周辺で暮らし、育ち、商いをする宜野湾市民は「いいかげんにしてくれ」と憤る。だがいくら声を上げても変わらない現状に、諦めもにじむ。(社会部・伊藤和行、宮里美紀)

普天間飛行場を離陸するCH53E大型輸送ヘリ。後方の建物は沖国大=9日午後2時すぎ、宜野湾市(渡辺奈々撮影)

 不時着ヘリが読谷から普天間に戻ったのは9日午前7時28分。しばらくは静かだった空に、米軍機が現れたのは午後からだ。普天間に所属する全ての機種が訓練を再開していた。

 「本当、腹が立つ」。午後1時半ごろ、市上大謝名公民館前で移動式パン屋を開く男性(43)はつぶやいた。オスプレイが鈍い音を響かせて上空を通過したためだ。「部品が落ちないか、いつも心配だよ」

 男性の息子(6)は昨年12月13日、米軍ヘリの窓が落ちた普天間第二小学校敷地内にある幼稚園に通う。「校庭に窓が落ちても、不時着を繰り返しても、米軍機はいつも通り飛ぶ」。そう話す間にも、再びオスプレイが頭上を通過した。「もう何を言えば状況が変わるのか分からない。国が米国にしっかり抗議しないからだ」と語気を強めた。

 「ヘリ飛ぶな!」。普天間第二小の体育館から、男児のこんな叫び声が聞こえてきたのは午後4時ごろ。米軍ヘリが付近を旋回していた。同小はこの日が3学期の始業式で、授業後に一部の児童が体育館で運動していた。落下事故以降、運動場は使用中止のままだ。

 「子どもたちは不満がたまっているようです。外で体を動かせないから、当たり前ですよね」。近くで駄菓子屋を営む店主(44)はおもんばかる。1年半前に開店し、今では児童のたまり場だ。「子どもの安全が脅かされる事故はあり得ない。ただ、出て行けと言って簡単に基地がなくなるわけではないし…」と吐露する。

 夜間訓練も住民を悩ませる。県と市の騒音測定では読谷に不時着後の8日午後10時以降も、騒音が測定された。「怖い」「音がうるさい」など、市に寄せられた苦情は6件。18歳から市内に住む女性(72)は諦め顔で言った。

 「日常茶飯事。普天間はなくなると言われてずっと待ってきた。はっきりしたのは、米軍や日本に私たちの声は届かないということね」

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