沖縄には米軍基地がある。だが、沖縄は米軍基地ではない。これは当たり前の認識だろうか。うるま市の伊計島の砂浜、読谷村儀間の廃棄物処理施設内に米軍ヘリの不時着が相次いだことに自問自答した

▼昨年12月には宜野湾市の保育園に米軍ヘリからとみられる部品落下事故、普天間第二小への窓落下と続き、新年明けて早々に2度の不時着。県民の命が脅かされ続ける現状より、軍事優先の現実に愕然(がくぜん)とする

▼「潮干狩りもやるし、夏は地元の人も海水浴に来る場所なのに」「野菜を作っている畑は200メートルほど先」。不時着の現場となった伊計島や読谷の住民らが口にしたのは、暮らしの身近な場所に突如危険が降り立つ「異常」さ

▼米軍基地ではない場所で、日常生活を脅かす「異常」が繰り返されるのは、米軍が沖縄を米軍基地そのものだという意識を持っているからではないか。米軍だけの都合で危険をばらまかれるのはまっぴらだ

▼事故のたびに日本政府は「安全運航を強く求める」と繰り返す。だが、実効性ある対策を引き出したためしはなく、求めるだけではもはや事故を防げないのは歴然としている

▼「法治国家として機能しているのか」「みなさんがおわび行脚をしないように強い対策を出してほしい」。読谷村の住民が沖縄防衛局に淡々と求めた言葉が重く響く。(赤嶺由紀子)