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  • 山田琉球大准教授らがドップラーレーダーで台風15号を解析した
  • 中心気圧が17時間で30ヘクトパスカルも下がる「急発達」をしていた
  • 電波で風を実測して強度を計るため、正確で迅速な警報発表が可能

 琉球大学の山田広幸准教授は、米国で開発された気象レーダー「ドップラーレーダー」を用いた気象庁気象研究所との共同研究で、8月に襲来した台風15号が17時間で中心気圧が30ヘクトパスカルも下がる「急発達」が起きていたと解析した。1日会見した山田准教授は「同レーダーは電波で風を実測するため、台風の強度が高い精度で分かる。正確かつ迅速な警報発表につながる」と期待を込める。

ドップラーレーダーで推定された台風15号の風速

ドップラーレーダーによる台風測定の仕組み

ドップラーレーダーで推定された台風15号の風速 ドップラーレーダーによる台風測定の仕組み

 現在、台風の強度測定は衛星画像を基に専門家が測定する「ドボラック法」が用いられているが、人の目で判断するため誤差も大きい。「ドップラーレーダー」は、台風へ向けて電波を発し、風速を測る仕組み(図1)。

 レーダーから遠ざかっていく風と、近づいてくる風の速度を基に、台風の渦の強さ(中心気圧)も測定できる。測定範囲は150キロ。時速15キロの台風なら上陸する約10時間前から測定できる。

 石垣島に設置しているレーダーを用い、同地方で71メートルの最大瞬間風速を観測した8月の台風15号を解析したところ、23日の午前10時に960ヘクトパスカルだった中心気圧が、24日の午前3時には930ヘクトパスカルまで下がっていた。

 急発達に伴い風の渦が収縮し、局所的に風速が強くなっていることも確認された(図2)。山田准教授は「急発達が早めに分かれば、より厳重な警戒を呼び掛けることができたはずだ」と指摘する。気象台による台風15号の速報値では23日午前10時で中心気圧は950ヘクトパスカル、24日午前3時で940ヘクトパスカルで10ヘクトパスカルしか下がっておらず急発達は確認されていない。

 一方、レーダーの運用には課題もある。風速は電波の受信が阻害されない高度2キロ付近の地点しか測れない。「地上の風速に変換する方法など、データ処理のの研究も必要。今後、さらに研究を進め自然災害の軽減に努めたい」と話した。