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  • 学童保育に通う小1は、前年度の公的保育利用5歳児の約半数だった
  • 就学後に放課後の預け先を確保できない「小1の壁」が浮き彫りに
  • 学童保育の94%が民営(本土は公立が8割)で、市町村の関与が課題

 親が働いていて昼間家庭にいない小学生が過ごす「放課後児童クラブ」(学童保育)に通う小学1年生は2017年5月現在、学童保育がある27市町村で6396人となり、前年度に公的保育を利用していた5歳児(1万1300人)の56・6%にとどまることが、沖縄タイムスの調査で分かった。約4割にあたる4904人は「利用料が高い」「学校の近くに学童保育がない」などの理由で利用をあきらめている「潜在的利用希望者」である可能性が高い。(学芸部・座安あきの)

27市町村の公的保育利用者数と学童利用者数の比較

 働いていることが要件となる公的保育の利用世帯は、子の就学後、学童保育が必要な世帯とほぼ重なると推定される。子の就学と同時に公的保育から学童保育へと移行できず、放課後の預け先を確保できない「小1の壁」の深刻さが浮き彫りになった。

 沖縄タイムスは昨年10月、国の放課後児童健全育成事業を実施している27市町村を対象にアンケートを実施。16年度末まで認可保育園や公立幼稚園の預かり保育を利用していた5歳児と、17年度に学童保育を利用している小学1年生の人数を比較した。 

 県子育て支援課は、潜在的利用希望者とみられる児童数について「学童保育ニーズの全数調査をしたことがなく、正確な需要はつかめていない」としつつ「5歳児時点で保育を必要とした世帯は、就学後も引き続き保育が必要と考えられ、児童数(4904人)は実態に近いとみられる」としている。

 2年生以上も対象に含めると、学童保育を必要としながら利用できていない世帯の児童数はさらに膨らむと予想され、県内の実際の待機児童数は県が17年5月に調査した全学年の848人をはるかに上回る可能性がある。

 県が年1回調査している待機児童数は、各児童クラブが定員超過のため受け入れを断った児童数を、各市町村が取りまとめて県に報告している。県は「市町村で待機児童のとらえ方にばらつきがある。校区内に学童がない地域もあり、保護者のニーズが顕在化しにくい」と説明する。

 戦後米軍統治下に置かれ、児童福祉法に基づく政策が遅れた影響もあり、県内の学童保育は約94%を民立民営が占める。公立が8割を超える全国に比べて学童利用に関する広報や申し込み、入所選定が各児童クラブ任せになり、市町村の関与の薄さが課題となっている。

 県の担当者は「市町村ごとに学童保育の需要がどれだけあるのか詳しく調査し、整備計画に反映させていくことが今後の課題だと考えている」と話した。

◆アンケートを実施

 沖縄タイムスは、放課後児童クラブの利用意向について、インターネットアンケートを実施します。県内在住の保育園・幼稚園児、小学生の子がいる世帯の保護者が対象です。本紙ホームページから専用フォームでご回答ください。

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