沖縄県南風原(はえばる)町喜屋武(きゃん)の中村トミ子さん(84)が、新成人となった孫2人に南風原花織の晴れ着を贈った。孫たちは「超、上等」と式典出席前から気持ちはノリノリ。中村さんは、孫たちの晴れ姿に「いっぺーうっさん(とてもうれしい)」と喜ぶ。(南部報道部・又吉健次)

祖母手織りの南風原花織で成人式に出席した岸本絹さん=8日、神奈川県大和市

中村トミ子さん

祖母手織りの南風原花織で成人式に出席した岸本絹さん=8日、神奈川県大和市 中村トミ子さん

 中村さんは40歳頃から、琉球かすりや南風原花織を本格的に織り始めた。町内で開かれた伝統織物のファッションショーを見て「孫たちの晴れ着が作れないかねー」と制作を思い立った。

 昨年は、神奈川県大和市に住む孫で家事手伝いの岸本彩さん(21)のために作成。彩さんは、薄い緑色が美しい南風原花織に合わせる帯を求めて呉服店を訪ねたところ「ものすごく高価な着物」と言われて驚いたという。

 今年は彩さんの妹で大学生の絹さん(20)、豊見城市の大学生加藤梨里さん(20)の孫2人のために、中村さんの長男の妻・明美さん(59)と一緒に3カ月かけて、鮮やかなピンク色、黒と白の落ち着いた柄の反物を織った。

 絹さんは「祖母手織りの着物を着る機会は、全員にある訳ではない。8日の成人式会場では年配の方から『きれいだね』ととても褒められた。祖母には、すごくありがとうと思った」と話す。

 梨里さんも、7日に豊見城中学校で開かれた成人式で、友人から着物の美しさを褒められ、祖母が作ったと話すと「超、すごい」と驚かれた。母親の千恵子さん(54)は「次の世代にも残していける宝物。母にとても感謝している」と喜ぶ。

 中村さんは「ひ孫が成人するときには95歳だから、もう織ることができない。手伝ってくれた明美に織ってもらうさー」とほほ笑んだ。