避妊・去勢手術をしないままで犬を放し飼いし、生まれた子犬が野犬となるケースが増えている宮古島で、宮古島アニマルレスキューチーム(MART、呉屋順子代表)が保健所に収容された犬を引き取り、里親に譲渡する活動を展開している。昨年9月からの活動で104匹を保護したが、根本的な解決には飼い主の意識改善が必須。MARTは飼い犬の管理徹底を呼び掛けている。

殺処分される犬を保護して引き渡す活動をしている宮古島アニマルレスキューチームの呉屋順子代表(左)と緒方久子さん=9日、宮古島市城辺

 全国的に犬の収容件数が減少している一方、宮古島では増加傾向にあり、東京都全体と同規模の年間300~400匹の犬が収容される。現状を知った沖縄県外からの移住者を中心に市民有志が活動を開始した。殺処分となる犬を宮古保健所から引き取り、城辺地域にあるシェルターで保護。フェイスブックや専用ホームページに写真や年齢、性別などを掲載し、犬の里親を募っている。

 犬は譲渡前に獣医師の検診を受け、狂犬病予防などのワクチン接種やダニの駆除、シャンプーをし、もらい手には6千~1万8千円程度の医療費と輸送代の負担をお願いしている。保護される犬の大半が3カ月程度の子犬で、成犬の中には飼い犬だったことを示す首輪付きの個体もいる。

 メンバーの緒方久子さん(60)は「放し飼いのためいなくなっても気付かない。中には『飼いきれなくなった』と連れてくる飼い主もいる」と話す。MARTなどのボランティアの活動開始後は病気で死んだ例を除き、宮古保健所での殺処分はなくなった。

 里親のほとんどが県外で、これまで52匹を譲渡した。関東や関西、北海道に犬の受け入れに協力する「保護主」を置き、引き渡す。県外移送は費用が膨らむため、宮古島を訪れる観光客にボランティアを頼み、貨物輸送よりも料金が半額で済む空港での手荷物扱いで犬を運んでいる。活動資金は寄付で賄い、フェイスブックで協力を呼び掛けている。

 徐々に協力者が増える一方で、新たに保護する犬も多く、抜本的な解決には飼い主のモラル向上が必要だ。呉屋代表は犬の係留や首輪への連絡先記入、避妊・去勢手術といった対応を求め「飼い主としての意識を高めてほしい」と呼び掛けた。

 MARTは保護主や移送ボランティアを募っている。問い合わせは、電話090(9789)4097。