真冬の外気が入り込む殺風景な1階フロアが、さながら全国物産展のような彩りを帯びる。しばし時間を忘れて読みふけった

▼東京・内幸町の日本プレスセンタービルで、全国の新聞129紙の元日号を展示する日本新聞協会主催の紙面展。各紙の1面トップは、郷土色にあふれていた

▼岩手日報は「二刀流伝説 海を越え」の見出しで、米大リーグに挑む大谷翔平選手を、神奈川新聞は夏の甲子園100年にちなみ、元巨人監督の原辰徳さんをそれぞれ取り上げた。ご両人とも郷里が生んだヒーローだ。山口新聞は地元出身の安倍晋三首相の単独インタビューを載せた

▼岩国基地がエリアにある中国新聞は、北朝鮮のミサイル発射や核実験直後に中四国地方で米軍機騒音が急増している実態を伝えた。沖縄2紙も基地関連を報じたが、新年早々、硬派なテーマを据えた新聞は少ない

▼トップ記事はおおよそ2通りに分かれる。渾身(こんしん)の特ダネでいくか、練りに練った大型連載の初回にするか。全国紙の特報班にいた先輩はかつて「俺たちは1月1日に特ダネを出すためにいるんだ」と豪語していた

▼元日号に載った129本の記事。書きたいという意思と、ネタを追う地道な取材があって初めて読者の元に届く。そして、きょうもまた、人知れぬ努力が実った129本が各紙の1面を飾る。(西江昭吾)