沖縄県の翁長雄志知事の国連人権理事会での演説をめぐり、「沖縄『建白書』を実現し未来を拓(ひら)く島ぐるみ会議」は4日、那覇市内で報告会を開いた。スイス訪問で国連人権担当者との人脈を築いたと説明。国連で発言権を持てる協議資格の取得を目指すなど、名護市辺野古の新基地建設による人権侵害を継続して発信すると説明した。

国連での活動を報告する島袋部会長(右)と徳森さん=4日、那覇市職員厚生会厚生会館

 島ぐるみ会議国連部会は他の非政府組織(NGO)とも連携して知事演説を準備。島袋純部会長は「沖縄の独立宣言との拡大解釈もあるようだ」と前置きして、「国連は国家同士の機関で、国境変更を推奨するわけがない。沖縄の意向を無視した決定は人権と自己決定権の侵害だと受け止めてもらった」と指摘した。

 今後の活動に、8月に非公式来沖した人権理事会特別報告者のビクトリア・タウリ・コープス氏の公式訪問要請を挙げた。また、人権理事会事務局でもある国連人権高等弁務官事務所の調査官らの知遇を得たことで、「情報提供のルートが作れた」と述べた。

 島ぐるみ会議などは国連内でシンポジウムを開き、知事も出席。延べ約100人が参加した。国連部会の徳森りま氏は同じ会場の前の催しが数十人だったのと比べて関心が高かったと報告、「県とNGOが一致団結して声を上げられて素晴らしかった」と総括した。

 同じく現地に同行した阿部藹(あい)氏は、知事の行動が米主要紙のほか欧州やアジアで報道されたことを紹介した。「第三者に人権問題として伝わり、日米2国間の問題として切り捨てることができなくなった」と意義を語った。

 普天間飛行場が国連軍の基地とされていることを取り上げたのは対米部会の吉川秀樹氏。今後、「民意と法を無視して造る基地を国連のものにするのか」と、訴えていくとした。

 高里鈴代共同代表は11月に予定している60人規模の訪米行動に触れ、「市民団体や上下両院議員に辺野古の埋め立て承認が取り消されたと伝えてきたい」と語った。