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  • 国民一人一人に番号を割り当てるマイナンバー法が施行された
  • 政府は11月末までの配達完了を目指すが市町村は困難視
  • 漏えい対策やDV被害者への通知が課題。国民監視危ぐする声も

 国民一人一人に番号を割り当てるマイナンバー法が5日施行され、12桁の個人番号が確定し、市区町村から各世帯へ「通知カード」の発送作業が始まる。簡易書留で送られる。対象が全国で約5500万世帯に上るため、届き始めるのは10月中旬ごろから。政府は11月末までの配達完了を目指すが、沖縄県内の市町村からは疑問の声も上がり、制度の浸透に向けた試金石となる。住民の理解度を不安視する向きもある。

印刷されたマイナンバーの通知カードを台車に積み上げる作業員=2日、東京都の国立印刷局東京工場

▽番号通知

 簡易書留は配達記録を取る必要があるほか、年賀状シーズンに重なるため、浦添市は対象市民約11万4千人に届けるのに「12月末までかかる」とみる。

 DVや児童虐待など事情があって住民票の住所に住んでいない人への通知も課題。「居所登録申請」で現住所を市町村に知らせる仕組みだが、「申請がなく、自治体への被害届け出もないと、(加害者のいる)住所に通知が届く」(北谷町)ことになる。

 通知が届かない「不達率」を那覇市は10%(約1万4千世帯)と想定。沖縄市も最終的に3・6%(約2100世帯)とみる。渡嘉敷村は「住民が認識する前に制度が進められている気がする。十分浸透していない」と指摘する。

▽情報漏えい対策

 各市町村は、番号を扱う職員を制限したり、関係書類は施錠付きの金庫で保管したり対策を取る。日本年金機構の情報流出を受け、マイナンバー関連のシステムとインターネットを遮断。那覇市は「システムと市役所外の通信は全て暗号化している」という。

▽運用課題

 既存の基幹システムの改修が必要となり、自治体にとって「持ち出しも多く、負担を感じる」(名護市)のが実情。国の補助も全経費の3分の1にとどまる。

 「目先の負担はあるが、長い目でみれば、窓口に来なくても印鑑証明を取れる利点もある」(沖縄市)と前向きな見方も。政府はコンビニで戸籍証明書を受け取る構想を練るが、「制度に追い付くので精いっぱい。国はあれもこれもできると言うが、地方に伝わるのはいつもぎりぎり」(今帰仁村)との不満もある。

■政府「分散管理」

 マイナンバー導入に伴い、政府は、行政機関が保有する個人情報について「従来通り、各機関が引き続き管理し、必要な情報を必要な時だけやりとりする『分散管理』の仕組みを取る」と説明。情報の照会・提供が円滑になるという。

 特定の機関が情報を集約し、市町村などが閲覧する「一元管理」ではないと強調。「マイナンバーを基にしたデータベースを構築することはなく、そこから個人情報がまとめて漏れることはない」としている。

■漏えい 危険大きい

 「監視社会ならん!市民ネット沖縄」の上江洲由美子代表世話人の話 国民一人一人に背番号をつけることで、国が国民を管理・監視しやすくなる。個人情報がひも付けされ、国に情報が蓄積されていく。米国や韓国では成り済ましのトラブルが多い。セキュリティー対策も疑問で、漏えいした場合の危険が大きい。国民の理解が乏しい中、強引な施行は問題だ。