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  • 首里城にタクシー乗り場がないため、客待ちの違法路駐が常態化
  • 運転手は「商売だから」と困惑するが、住民からは危ないと苦情
  • 過去に乗り場はあったがトラブルで閉鎖。県が再整備を検討中

 沖縄県内随一の観光地、首里城公園付近で客待ちするタクシーの違法な路上駐車が常態化している。同公園を訪れる観光客が年間300万人に迫る中、公園にタクシー乗り場がなく、バス停近くなどで客を待つタクシーが後を絶たない。路上駐車を避けようとした車や自転車と通行人が接触する危険もあり、県などに近隣住民から苦情の声が寄せられている。タクシー運転手や観光関係者は乗り場の早急な整備を求めている。県や県警など関係機関は乗り場設置に向けたルール作りを検討している。(社会部・宮里美紀)

専用の乗降場所がないため、バス停で乗客を降ろすタクシー=2017年12月26日午後、那覇市首里金城町

専用の乗降場所がないため、バス停で乗客を降ろすタクシー=2017年12月26日午後、那覇市首里金城町

 「注意は何度か受けた。でも商売だから、客が取れる場所に行く」

 昨年12月下旬、同公園前の交差点近くに路上駐車し客を待っていたタクシー運転手は渋い表情で語る。「冬でも観光客が途絶えない沖縄を代表する観光地。それなのに乗り場がないのはおかしい」と憤る。

 別の運転手は路上駐車で違反切符を切られたこともある。「リスクはあっても首里城周辺には必ず客がいる。観光立県を名乗るなら、タクシー乗り場くらい整備してほしい」と訴えた。

 那覇署交通対策課は「前より減ったと思うが、引き続き取り締まる必要がある」と話す。路上駐車の運転手に口頭で注意し、悪質な場合には取り締まる。県ハイヤー・タクシー協会などを通じて注意を促しているが、いたちごっこが続く。

 2016年に公園を訪れた観光客は約273万人となり、6年連続で増加。観光ガイドの島袋現市さん(74)は「世界遺産の観光地にタクシー乗り場がないのは珍しい。お客さんにもよく聞かれる」と整備の必要性を強調する。

 住民も、路上駐車の危険性を訴える。30代の主婦の女性は「路上駐車するタクシーをよける車や自転車が通学中の子どもにぶつかりそうになる」と語った。

 県都市計画・モノレール課などによると、1999年に首里城公園管理センターの駐車場内にタクシー乗り場を仮設したことがある。しかし、客引きなどでトラブルが発生し、2002年3月に閉鎖した。

 県は16年からタクシー乗り場の再整備に向け、国や市、業界と連携し、ルール作りに動きだしている。業界団体がマナーや経験などを加味して認定する「沖縄観光タクシー乗務員資格」の活用を想定。一定ランク以上の運転手に乗り場の利用を認めるなど、客引きなどのトラブルを防ぐ考えだ。県都市計画・モノレール課は「観光客は増加しており、整備の必要性は感じている」と説明。今後も慎重に議論を重ねる考えだ。