沖縄戦によるトラウマ(心の傷)や戦争の悲惨さについて学ぶ講演会(主催・沖縄戦・精神保健研究会)が13日、浦添看護学校であった。「戦争とこころ-沖縄からの提言」(沖縄タイムス社)の出版を記念したもので、著者の1人で精神科医の蟻塚亮二さん(70)と元白梅学徒隊で白梅同窓会の中山きく会長(89)が、沖縄戦の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の問題や自身の沖縄戦の体験を語った。

沖縄戦とPTSDについて話す蟻塚亮二医師=13日、浦添看護学校

自身の体験談を語る中山きく会長=13日、浦添看護学校

沖縄戦とPTSDについて話す蟻塚亮二医師=13日、浦添看護学校 自身の体験談を語る中山きく会長=13日、浦添看護学校

 蟻塚さんは、戦争トラウマのある人は「生きることが迷惑」「不幸でいるのが一番楽」といった否定的な考えに陥りやすいと説明。戦争トラウマのある沖縄戦体験高齢者の中にはPTSDを引きずり、生活困窮状態や家族不和などの悩みを抱えるケースがあるという。

 一方で「今が一番幸せと思える人は戦争トラウマに侵されにくい」とし、困ったときに語れる相手がいるなど「今を大切に生きる意志や自己肯定できる環境づくりが乗り越えるために大事だ」と強調した。

 中山さんは自ら学徒動員に志願するほどの「軍国少女」だったと当時の自分を紹介。傷病兵の切断手術や看護に当たった時の生々しい体験を語った中山さんは「眠れないことはないが、米軍の事件事故やヘリが飛び回るたびに沖縄戦を思い出す」と話した。

 若い世代へ体験談を語る際、「私のような戦争のある人生を歩まないでください」と口癖のように訴えているとし、「戦争は人災で人類の忌むべきこと。二度と戦争は起こさせない」と誓った。