ジャズピアニストの故屋良文雄さんのホームグラウンドだったライブハウス「寓話」(那覇市久茂地)が、入居する建物の老朽化に伴い、現在地での34年の歴史に幕を下ろす。縁のあるミュージシャンらが今月から「さよならライブ」を開催。大みそかにカウントダウンライブを行った後、来年1月をめどに若狭で新たな店舗を構える。屋良さんの家族や友人らは6日、同店で会見を開き「音楽が楽しめる店の雰囲気を、大事に引き継いでいきたい」と話した。

故屋良文雄さんのレコードを手に、店の思い出を振り返る妻の成子さん(中央)、長男の朝紀さん(左から2人目)、次男の朝秋さん(左)=6日、那覇市久茂地・ライブハウス「寓話」

 「寓話」は、1979年に東町でオープン後、81年に久茂地に移転した。屋良さんの活動拠点としてだけでなく、多くのミュージシャンがライブを行い、県内外のジャズファンが足を運んだ。

 屋良さんの妻で、店を切り盛りする成子さん(68)は「店には思い出がいっぱい詰まっている。カウンターや椅子など、『寓話』のスタイルはそのまま持っていく」と、思いを語った。

 次男で同店でライブを続ける朝秋さん(39)は「愛着ある店がなくなるのは寂しいが、父がやってきたように、新しい店をお客さんやミュージシャンの方と共につくりたい」と話した。

 屋良さんとは高校でブラスバンド仲間だったという沖縄JAZZ協会顧問の上原昌栄さん(79)は「現在の私があるのは『寓話』のおかげ。音楽は続けることが財産になるので、新店舗でも頑張ってほしい」と期待した。

 同店では、年内まで開く「さよならライブ」に参加するミュージシャンを募集している。問い合わせは「寓話」、電話098(867)0449。