2018年(平成30年) 2月22日

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「やればやるほど、すごさ分かる」 父の背、謙虚・貪欲に追う 正しい継承へ使命感

【次代の肖像】比嘉康雄館長(44) 沖縄小林流空手道究道館泉崎道場

「やればやるほど、おやじのすごさが分かる」。沖縄小林流空手道究道館泉崎道場の比嘉康雄館長(44)は、同館連合会長で父親の稔氏(76)を尊敬してやまない。「『空手をやりなさい』と言われたことは一度もなかった。おやじの偉大さが分かるようになって、いつの間にか追いかけるようになった」。身近にありながら遠目に見ていた空手に携わるようになったのは24歳。現在は5段で、指導者として改めて父の存在の大きさを感じている。(運動部・當山学)

門下生に基本動作を指導する比嘉康雄氏=那覇市・沖縄小林流空手道究道館泉崎道場(金城健太撮影)

比嘉康雄氏(左)の型を鍛練する稔氏

門下生に基本動作を指導する比嘉康雄氏=那覇市・沖縄小林流空手道究道館泉崎道場(金城健太撮影) 比嘉康雄氏(左)の型を鍛練する稔氏

 中学時代に柔道、高校時代にレスリングを経験していたが、「空手道場に行くのは盆と正月ぐらい」だった。24歳の時、自発的に稔氏の門をたたいて、約1年で黒帯を取得した。「成長を実感できるのが良い。拳の握り方一つでも、毎日何かしら気付きがある」と充実の日々だ。

 約10年前から、子どもの保育園仲間を教えるようになり、4年前に母親の倫子さん(76)から泉崎道場の館長を引き継いだ。「黒帯を締めてからスタートライン。指導することで気付くこともたくさんある」と、父親や先輩だけでなく、白帯の教え子からもエネルギーをもらい続ける。

 稔氏の付き添いで、アルゼンチンやドイツなど海外の支部を訪ねることも多い。そこで、多くの門下生が一生懸命に稽古する姿を目にした。「発祥の地として、うかうかしていられない。ましてや、本部道場の者が負けるわけにはいかない」と、本気で空手を極める決意を固めた。

 稔氏とは、今も一緒に稽古をしている。「会長(稔氏)はあまり駄目出しをしないで、その人のレベルに応じて『ナトン(よくできました)』とよく言う。逆に、指摘されたときに『ちょっとはレベルが上がったのかな』と成長を感じて、また精進する」

 互いに腕を擦り合わせる「カキエ」という稽古では、稔氏が脇見をしている隙に突きを打ち込むが、簡単に返されて逆に突かれてしまう。

 「触れている部分がセンサーみたいになっている。普段は膝が痛いと言っている普通のおじいちゃんだけど、空手着を着けたら全然違う」。達人技を目の当たりにし、「自分にはいつ身に付くか分からないけど、少しずつ近づいていくことができれば」と、将来の自分の姿を思い描く。

 創始者の比嘉佑直氏、おいの稔氏が守ってきた究道館。「正しく継承して後世に残す役割がある」と責務を感じながら「魂や精神的なものは教えてもらえるものじゃない。目に見えないものを少しでも吸収していきたい」。謙虚に、貪欲に、父の背中を追う。

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