県立芸術大学(比嘉康春学長)の美術工芸学部デザイン専攻と音楽学部琉球芸能専攻琉球舞踊組踊コースの教員と学生がこのほど、手すきの紙を素材にした琉球芸能の舞台衣装を共同作製した。「紙でできた琉球芸能の舞台衣装は初めてではないか」と話し、10日に同大で予定する第26回琉球芸能定期公演で披露する。(与儀武秀)

完成した紙の舞台衣装(中央)を囲み笑顔を見せる県立芸術大学の美術工芸学部デザイン専攻、音楽学部琉球芸能専攻琉球舞踊組踊コースの教員と学生=6日、同大・崎山キャンパス

 衣装は舞踊劇「國頭サバクイ」で登場する山の神用。雁皮(がんぴ)という植物の繊維から作った紙を生地にして、裁断や縫製で形を整え、衣装にした。紙には青や緑の染料が流し込まれ、森林のイメージが施されている。

 今年4月、デザイン専攻の崎濱秀昌教授と同大学院1年次の我如古真子さん(34)が、昔使われていた紙の衣服を現代生活で復活できないかと学内発表。それを聞いた琉球舞踊組踊コースの高嶺久枝教授が紙の衣装作製を依頼。デザイン専攻4年生の長浜翼輝さん(22)の協力を得て、1カ月余りで完成させた。

 高嶺教授は「『國頭サバクイ』は、木を切ることがテーマ。木からできる自然素材の衣装がピッタリだと思った」と説明。

 縫製担当の我如古さんは「破れないようこんにゃくのりを紙に塗り、薄布で裏打ちするなど縫うまでが大変だった」と振り返った。

 衣装を着て舞台に立つ琉球舞踊組踊コース3年次の比嘉大志さん(21)は「布地に比べ軽くて動きやすい。自然素材を身につけ生命の源のようなイメージを伝えたい」と話している。

 同舞台は10日午後2時から同大奏楽堂ホールで。問い合わせは電話098(882)5080。