【松田良孝通信員】芸術を通して日本を紹介するイベント「日本芸術文化展」(台日美術交流会主催)が昨年12月、台北市内のデパートであり、南風原町出身の彫刻家、儀保克幸さん(50)の木彫「森の中の記憶」(2016年制作)が会場入り口に展示され、来場者を出迎える大役を務めた。少女や子どもをモチーフにした作品で知られる儀保さんは、中国や韓国でも評価を受けている。

日本芸術文化展の会場入り口に展示された木彫「森の中の記憶」と儀保克幸さん=台北市内

 「森の中の記憶」は身長140センチほどの少女がたたずむ姿を彫り上げたもの。少女の足元には、作品を彫り終えた後に残った木くずを配した。儀保さんは「土地と人の関係は切っても切れないもの。その土地に生きる人を表した」と話す。

 ほかに、少女をモチーフにした別の木彫などもあり、計30点ほどを出展した。

 儀保さんは、芸術家が集団で創作活動を行う「丸沼芸術の森」(埼玉県朝霞市)を拠点に活動。

 県立芸術大学の非常勤講師だった1996年に、台湾東部の花蓮市に1カ月滞在して創作活動を行うなど台湾との付き合いは長い。「台湾の人は、僕の作品にある、ちょっとした表情を感じ取ってくれる」と親近感を覚えている。

 98年には中国桂林で開かれた彫刻の国際シンポに参加。韓国であった展示会にも参加してきた。

 沖縄の県立美術館で2月4日まで開催中の開館10周年記念展「邂逅(かいこう)の海−交差するリアリズム」では、やはり少女がモチーフの「ケースの中の確率的な存在」(99年制作)が展示されている。