【平安名純代・米国特約記者】米議会調査局は6日に公表した日米関係に関する最新報告書で「普天間飛行場の移設をめぐる東京と沖縄の政治的論争は、今年後半に新たな段階に移行しつつある」と指摘。埋め立て承認の取り消しをめぐり、日本政府と県が法廷で争う間も辺野古での工事は継続されると分析し、こうした状況が「激しい政治闘争の局面につながる可能性がある」と懸念を示した。

翁長知事

 報告書は、日米両政府が10年以上も辺野古移設に取り組んできたものの、県民の多くは反対しており、日本政府と県の協議も妥協や変化をもたらさなかったなどとこれまでの動向を説明。「前知事による埋め立て承認をめぐり、日本政府は瑕疵(かし)がないと主張しており、埋め立て工事を継続する予定だ」と説明した。

 そのうえで、「翁長雄志知事は前知事の埋め立て承認を取り消し、法廷で争うと宣言したが、日本政府関係者は承認に法的瑕疵はないと確信している。法廷で争われている期間中も(日本政府は)工事を継続する権限を有している」と指摘。「こうした状況は政治的闘争を激化させる可能性がある。県民のキャンプ・シュワブ前での抗議活動がエスカレートし、埋め立てを阻止するために過激な手段に訴えるかもしれない」などと警鐘を鳴らした。

 報告書は、日本の最新動向として、安倍政権の支持率落下、第二次世界大戦後70年をめぐる近隣諸国との関係、安全保障関連法、TPP、普天間移設を列挙。

 普天間移設について、「懸念が残る」と指摘しているものの、安全保障関連法成立など日米関係をめぐる最近の動きについては「進展」と評価している。