米軍北部訓練場の過半が返還されたのを受け、林野庁九州森林管理局は15日までに、世界自然遺産推薦区域に隣接する約3千ヘクタールの国有林を新たに「やんばる森林生態系保護地域」に設定した。保護地域の約9割を占める「保存地区」は最も規制が厳しく、人の手を加える開発行為が原則できず、第三者の入林も認められない。

(資料写真)やんばるの森

(資料写真)やんばるの森

 現行の推薦区域と連続性のある森林生態系を保護する仕組みができ、自然遺産に返還地を追加推薦する弾みがついた格好だ。ただ依然として、推薦区域の一部は、国内法に基づく規制の及ばない北部訓練場が隣り合う状態が続いている。

 返還地を含む保護地域案は、日米特別行動委員会(SACO)最終報告での合意を受け、1997年から議論されており約20年越しの設定となった。今回の案は2016年に訓練場約4千ヘクタールが返還されたのを受け、17年5月から野生動植物の有識者らでつくる保護林管理委員会が検討を再開。現地の森林組合や地域住民らとも協議し、既に自然遺産に推薦した区域と同じ森林の形態で、効果的な保全ができる区域を選んだという。

 新たに設定された保護地域は全て国有地の3007ヘクタールで、うち緊急時を除き人の手を加えることができない保存地区は約2700ヘクタール。残る「保全利用地区」も緩やかな規制がかかり、天然林の保護を目的とする以外の開発ができなくなる。

 一方、返還地には民間地も含まれており、追加推薦に向け、環境省も民間地を含む返還地を「やんばる国立公園」に編入する検討を進めている。菅義偉官房長官は17年末の来県時、編入時期を18年と明言している。