15日、着陸失敗事故から約2年5カ月ぶりに再開した第一航空の那覇-粟国便(19人乗り)。再開初日の乗客は、那覇発の第1便が5人、粟国発の第2便はゼロで、計12人にとどまった。「飛行機は必要」と歓迎の声が上がる一方、村民には安全性に対する根強い不信感がにじむ。

運航を再開した那覇―粟国の航空路線で、粟国空港に到着した第1便から降りる乗客ら=15日午前9時5分、同空港

 第1便の乗客は取材で搭乗した新聞記者2人と村民3人。村で特産品作りや観光PRをする総務省「地域おこし協力隊」の宮本真理さん(41)は午前8時45分に離陸して「やっと飛んだ。運休は長かった」とほっとした。

 欠航しがちな旅客船や定員5人のヘリでは、仕事などが予定通り進まずに困った経験があり、再開を待っていた。ただ「事故機にきょうだいや親戚がいた村民は、乗るかどうか慎重になると思う」とも話す。

 2015年8月28日、第一航空機が粟国空港で着陸に失敗した事故で、乗客ら14人のうち11人がけがをした。旧盆のウークイに合わせた帰省客が多かった。

 1便の乗客で、40代の会社員男性は「周りには『誰が最初に乗るか』と不安がる声が多かった。それでも個人的には飛行機が必要だと思う」と語る。

 再開後の運航は3月末まで。同社の赤字見込み額を県と村が補助しないとした18年度は継続が不透明だ。男性は「補助金議論は航空会社や行政の都合。一緒になって離島の不便さを考え、住民が納得のいく答えを出してほしい」と望む。

 再開した15日は旅客船が月に1度、那覇-粟国を2往復する日だった。村船舶課によると乗客は計81人。「飛行機の再開を知らなかった」「次は利用したい」と話す人たちもいた。

 出張で那覇市に向かった新城静喜村長も乗船。これまで第一航空の安全態勢に疑義を呈しており「帰りも船便を使う予定」という。