9秒でまるわかり!

  • 沖縄戦の継承のため、6自治体が戦争に特化した市町村史を刊行へ
  • すでに刊行した自治体でも情報の更新や再編集の動きがある
  • 専門家は「今の時代に適した形で編み直してほしい」と指摘する

 沖縄戦の歴史を次世代につなごうと、沖縄市や名護市など6自治体が戦争に特化した市町村史の刊行に取り組んでいることが8日、沖縄タイムスの県内41市町村アンケートで分かった。1971年の県史刊行後に各地で相次いだ戦時記録を編む作業が、戦後70年を経ても地道に続く。一方で約30年前に刊行後、情報の更新や再編集の動きのない自治体も少なくない。専門家からは「次代へ継承する意味で、住民が手に取りやすいよう今の時代に適した形で編み直してほしい」との意見も上がる。

この少女は、だれに教わったのか、白旗をかざして米軍前線に近づいてきた=1945年

この少女は、だれに教わったのか、白旗をかざして米軍前線に近づいてきた=1945年

 沖縄戦関連の市町村史を新たに予定しているのは、沖縄市、名護市、恩納村のほか、「平成の大合併」で誕生した南城市、久米島町、八重瀬町の計6市町村で、2020年ごろまでに出そろう見通し。

 このほか、国頭村が本年度に通史を刊行予定。竹富町でも島ごとの編集に取り組んでおり、この中で沖縄戦にも触れる意向だ。

 地上戦の主戦場になった本島中南部に対し、北部はゲリラ戦や広範囲な収容地区が形成されたのが特徴で、こうした各地域の視点を盛り込んでいる。

 これまでに発行した自治体では、浦添市や南風原町、読谷村などが沖縄戦に絞った形で編集。字誌の発刊も盛んで、読谷村楚辺、渡具知、浦添市の小湾などは「戦争編」として刊行した。

 一方で、通史の中で戦闘の経緯に一部触れただけのケースがあるほか、市町村史を1980年代前後に刊行して以降、手を加えていないところもある。沖縄国際大学の吉浜忍教授は「体験者が減り、貴重な証言が収録されている市町村史の重要性は増している。古いものは文字が小さく難しい表現が多いなど、読みづらい。写真や図を載せるなど分かりやすくなる工夫をしてほしい」と指摘した。