阪神大震災から17日で23年。いつ起こるか分からない災害に備えようと、なは女性センターの主催で13日、「女性と災害」をテーマにした講座が開かれた。神戸市で大震災を経験した、防災士で沖縄国際大非常勤講師の稲垣暁(さとる)さんが、女性が直面する課題を挙げ、備えの方法を紹介した。

通訳や音声の字幕表示支援を交えて進められた「女性と災害」講座=なは女性センター

 稲垣さんは阪神大震災、東日本大震災ともに、女性のほうが男性より犠牲者の数が多かったと説明した。阪神では特に1人暮らしの高齢女性が多く犠牲になった。その背景に男女の賃金格差があり、家賃が安かったり、古かったりして、構造が脆弱(ぜいじゃく)な住宅に住む女性が多いことを挙げた。

 避難生活で女性が最も困ることの一つにトイレの問題を挙げた。男女共同だったり、汚物がたまって不衛生になるため、「汚くて近づくのもいや」と我慢してぼうこう炎になったり、水分摂取を控えて体調を崩す女性が多いとした。

 4人家族で必要な水は1日200リットル。完全断水に備え、浴槽などに水をためておくとよいと助言した。

 直下型地震の阪神大震災では犠牲者の多くが家具などの倒壊で圧死、窒息死した。女性が時間を過ごすことが多い台所では、食器棚が倒れないような工夫や、割れた破片でけがをしないよう、使わない食器を片付けておくことをアドバイスした。

 避難所での女性リーダーの活躍も紹介。男性がリーダーになることが多いが、女性がリーダーを務めた実際の避難所では、高齢者らが食べやすいような工夫をしたり、女性に押し付けられがちな炊き出しを男女で分担するようにしたという。稲垣さんは「女性がリーダーを務めることで、弱者に細やかに配慮した運営で、連帯が生まれていた」と語った。

 県内で想定される課題として非正規雇用者の問題を挙げ、「災害による経営難で真っ先に解雇されやすい」と指摘。また、保育園が休みになり、子どもを預けられずに働けない事態が起こることにも触れた。

 浦添市から参加した平田よしみさん(45)は「女性のリーダーがいる避難所では細やかな配慮があるという話は興味深かった。80代の両親と同居している。備えを始めないといけない」と気を引き締めていた。

 この日、聴覚に障がいがある参加者のために手話通訳のほか、県難聴・中途失聴者協会による音声認識アプリ「UDトーク」を使った字幕表示支援もあった。