「アロハ、イッペーニフェーデービル」。8日に沖縄県那覇市であったデービッド・イゲ米ハワイ州知事(58)の講演会。英語の合間にウチナーグチを挟むイゲさんの語りに、通訳を待つまでもなく会場は笑顔に包まれた。用意された250人分の椅子は足りず、立ち見の人で会場はあふれた。歓迎会には400人を超える関係者が詰めかけ、米国初の“県系人州知事”を歓迎した。

沖縄やハワイに住む親戚らと記念撮影するイゲ知事(後列左から5人目)と伊芸繁さん(同4人目)=8日午後、那覇市の沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ

 イゲさんは講演会で、過去の選挙活動で「シンボル」としてサーターアンダギーを振る舞った思い出を振り返り「ウチナーンチュ3世として誇り高い。ハワイと沖縄は友達を超えた家族だ」と感慨深げに語った。

 祖父同士が兄弟の西原町の伊芸繁さん(63)は、イゲさんと顔を合わせるやいなや握手を交わし、ハワイ大学に留学経験のある娘倫子さん(29)の英訳で「沖縄の親戚はとても来沖を喜んでいます」と伝えた。

 これまで手紙や電話のやりとりはなく、この日が正真正銘の初対面。イゲさんは「会えて本当にうれしい」と喜び、繁さんは一緒に会場へ足を運んだ親戚9人と顔を見比べ「誰と似ているかなあ」と笑った。

 ハワイに移住したイゲさんの祖父は、繁さんが1歳のころに一時帰郷。亡くなった母が「筋の通った人」と口にしていたのを覚えているという繁さんは、手書きの家系図を手に、最初で最後かもしれないイゲさんらハワイの親戚一同と笑顔で記念写真に納まった。

 ハワイと絆の強い関係者らが手作りで準備した歓迎会の締めくくりはカチャーシー。イゲさんは「7月のハワイでの式典でも、翁長知事とカチャーシーを踊ったのを思い出す。沖縄文化は素晴らしい」。妻のドーンさん(57)は「ルーツを同じくする沖縄の人々に温かく歓迎され、夫も故郷のように感じていると思う」とほほ笑んだ。