北中城中2年の荻堂盛韻(せいん)さん(14)は昨年12月、沖縄県・兵庫県青少年交流事業で神戸市の「人と防災未来センター」を訪れ、阪神大震災のことを学んだ。生まれる前の震災で、それまでニュースで見聞きした程度だった。交流と学びの旅で、荻堂さんはハンディキャップがある人やお年寄りたちの災害弱者の避難の在り方や震災の記憶の継承など多くの課題を考えた。

阪神大震災を学び感じたことを語る荻堂盛韻さん=15日、北中城村

 倒壊する建物に折れ曲がる高速道路の柱。グミのように、ぐにゃと曲がった道路の側溝のふた。防災未来センターで見た実物や写真、再現映像に「本当に起こったことなのか、と信じられなかった」と振り返る。被災者が語った「10秒で多くの人が犠牲になった」との言葉や避難所での葬式の話が強く印象に残り、防災の意識が増したという。

 荻堂さんは脳性まひの後遺症で両足と右手にハンディを抱えている。センターで震災の被害を知ると同時に、災害弱者のことが頭をよぎった。「大規模な地震で取り残されるのはお年寄りや体の不自由な人たち。ハンディのある人たちが取り残されることなく避難できる仕組みがあれば、多くの人の命が助かると思う」と語った。

 一方で、80歳を超える語り部の姿に「この震災の記憶が忘れ去られるのではないか」と気になった。「本当に死ぬ思いだったと言っていた。僕らの世代は体験していない。経験者で語る人がいなくなったらどうなるのだろう」と気遣った。

 事業は県青少年育成県民会議が主催で、3泊4日の日程で88人の児童・生徒が参加した。センター見学は、阪神大震災を知らない児童・生徒が震災を疑似体験し、復興に向けた地元の人々の努力を学ぶために盛り込んでいるという。

 この旅がなければ震災について知る機会はなかったと荻堂さん。「自然災害の恐ろしさを実感できた。次来るといわれる南海トラフに自分なりに対策を立てたい」と話した。