大学ラグビー界の名門・早稲田大学ラグビー蹴球部で、沖縄出身ルーキーが奮闘している。名護商工高から初めての早大入学を果たした1年生フランカーの宮里侑樹(18)は9月6日、関東大学対抗戦の開幕試合に先発出場。立教大相手に3トライのハットトリックを決め、57-12の大勝で鮮烈デビューを飾った。「内容はまだまだ。早稲田のジャージーに恥じぬプレーをしたい」と、5季ぶりの優勝に闘志を燃やす。(小笠原大介東京通信員)

先発定着を目指す1年生フランカー宮里侑樹=9月29日、東京都杉並区の早大ラグビー部専用グラウンド(小笠原大介撮影)

 ナイター照明に照らされた東京都杉並区の早大ラグビー部専用グラウンド。分単位で決められた全体練習の終了後、選手たちはポジションごとに分かれ、その日の課題を徹底的に洗い出す。「ワセダ」の伝統を背負うプライドが、伝わってくる光景だ。

 宮里は「やっと慣れてきたが、まだラグビーを知らないので」と謙虚に語る。中学まではバスケットボールや陸上の選手だったが、地元名護のやんばるクラブでプレーしていた父直樹さんの影響もあり、高校から本格的にラグビーを始めた。

 しかし当時の名護商工では15人そろわず、野球部やバスケ部から寄せ集めて試合に出るような状況。花園出場は、はるか遠い夢だった。それでも誰よりも練習に打ち込み、10人制では九州選抜に抜てきされるなど、上を目指し続けた。

 転機は3年生の夏休み。顧問の小菅爾郎監督が早大OBだったことが縁で、同大が実施する沖縄キャラバンに参加した。そこで、後藤禎和早大監督の目に留まった。「身体能力とスピードが光っていた」と見込まれ、スポーツ推薦入試に合格し、道が開けた。

 早大ラグビー部入部当初は、高校とは比較にならないほどの体格差や当たりの激しさに圧倒された。だが、新人戦の主将や海外遠征メンバーに抜てきされるなど、ルーキー44人の中で一歩抜け出している。

 開幕戦に続き、4日の青山学院大戦でも先発出場を果たすなど、チームの期待は大きい。後藤監督は「まだラグビーを分かっていないが、これまでの早稲田にいないタイプだ。予想を覆すプレーをしてほしい」。4年の岡田一平主将も「ラインをブレークできる選手。どんどん前に出てほしい」と期待を寄せる。

 宮里のポジション・フランカーはスクラムやモールなどの地上戦で攻守の要となるだけに、求められるハードルは高い。「走力とコンタクトの力をもっと上げたい。今はとにかく、がむしゃらにやるだけ」。伝統の赤と黒のジャージーを着る重みをかみしめながら、ワセダの主力を目指す。

 みやざと・ゆうき 1997年1月、名護市生まれ。羽地中ではバスケットボール部、名護商工高で10人制ラグビーのU-18九州代表。父直樹さんは元ラグビー選手。祖父の操さんは64年東京五輪の聖火ランナー。179センチ、93キロ。