翁長雄志知事は13日、名護市辺野古の新基地建設で、仲井真弘多前知事による沿岸部の埋め立て承認を取り消した。これにより、普天間飛行場の代替施設を辺野古に造るため、国が進めている移設作業が法的根拠を失った。沖縄県は、本体工事前の「事前協議を行うことはできない」と、沖縄防衛局に文書で通知した。中谷元・防衛相は閣議後の記者会見で、移設作業を一時、中断する考えを明言した。

会見で名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しを発表する翁長雄志知事=13日午前10時すぎ、沖縄県庁

埋め立て承認取り消しをめぐる動きと今後の想定

会見で名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しを発表する翁長雄志知事=13日午前10時すぎ、沖縄県庁 埋め立て承認取り消しをめぐる動きと今後の想定

 一方、防衛省は取り消しを「違法」と判断。行政不服審査法に基づき14日、公有水面埋立法を所管する国土交通相に、取り消し無効の審査を請求し、裁決が出るまで暫定的に取り消しの効力を止める執行停止を、申し立てる方針だ。週明けの19日にも、移設作業を再開できるよう模索する。

 新基地建設の阻止を掲げる知事が、移設を止める強制力を伴う手続きを実行したのは初めて。昨年12月の就任から約10カ月で、最大の権限行使に踏み切った。

 知事は取り消し後、県庁で記者会見し「承認には瑕疵(かし)があると認められ、取り消しが相当であると判断した。今後も、辺野古に新基地は造らせないという公約の実現に向け、全力で取り組む」と述べた。

 政府内には、移設の停滞で普天間飛行場の返還が遅れる責任は知事にある、との認識が根強い。知事は「まさしく日本の政治の堕落だ。他の市町村や知事に『頼むから受けてちょうだいよ』と言って歩くのが沖縄県知事の責務なのか」と反論。「沖縄が邪魔するから(返還)できないというのは姑息(こそく)だ」と批判した。

 取り消しの意義は「地方自治体がこのようなところまで追い詰められ、国という大きな権力を相手にしている。日本の民主主義というものに対し、国民全体が考えていただけるものになればいいと思う」と述べ、沖縄に理解が進むことへの期待感を示した。

 県は知事の会見に先立つ13日午前、土木建築部、知事公室の職員が嘉手納町の防衛局を訪ね、取り消し通知書を担当者に手渡した。