【大宜味】交通事故で死んだアオウミガメの卵の人工ふ化が成功し、うち10匹が14日夜、沖縄県大宜味村喜如嘉の浜で放流された。長さ4センチ余りの子ガメたちは、足をばたつかせながら海に入った。約60人が見送り、「お母さんの分も頑張って生きて」と願った。

放流を待つアオウミガメの赤ちゃん=14日午後7時53分、大宜味村喜如嘉(金城健太撮影)

 母ガメは8月16日、産卵のため上陸し、浜に近い国道58号で車にひかれた。沖縄美ら島財団(本部町)が持ち帰り、体内から卵80個を取り出してふ卵器で温めていた。この日までにふ化した20匹のうち、準備のできた10匹を放流した。

 事故当日、すぐに駆け付けた日本ウミガメ協議会会員の米須邦雄さん(63)=大宜味村=は「子ガメはたくさん見てきたが、今回は特別。親はもういないけど、最愛の子ガメたちは無事に生きてほしい」と話した。

 美ら島財団の経理課職員、具志堅利枝さん(29)と平良優音さん(27)は、毎日のように総合研究センターのふ卵器をのぞきに行っていたという。「自分がお母さんとして育てたような気分」「元気で感動した」と口々に語った。

 現場は砂浜と道路が直接つながっている。北部国道事務所は事故後の9月、カメを道路に出さないため仮対策として土のうを積んだ。