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  • 沖縄防衛局は県の辺野古承認取り消し無効の審査を国交相に請求
  • 結論が出るまで県の取り消しの効力を止める執行停止を申し立てた
  • 23日にも停止を認めるとみられ、審査の裁決を待たずに作業再開へ

 【東京】沖縄防衛局は14日、名護市辺野古の新基地建設をめぐり、沿岸部の埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の判断は「違法」だとして、行政不服審査法に基づき、公有水面埋立法を所管する石井啓一国土交通相へ取り消し無効の審査を請求し、裁決(結論)が出るまで暫定的に取り消しの効力を止める執行停止を申し立てた。国交相は早ければ23日にも執行停止を認める可能性があり、新基地建設反対を訴える県側が強く反発するのは必至だ。

県の取り消し理由と防衛局の審査請求・執行停止での反論点

 国交相が効力停止を認めれば防衛局は審査請求の裁決が出る前でも作業を続けることができるため、23日以降早い段階での作業再開を目指す意向だ。

 防衛局は審査請求の申立書で、仲井真弘多前知事による承認に瑕疵(かし)はない点や、普天間移設により普天間飛行場近隣住民の危険性除去、日米同盟の堅持につながる-ことなどを挙げ、取り消しの無効を求めた。

 さらに、「沖縄は戦略的な観点から地理的優位性を有している」と指摘し、在沖海兵隊は重要な抑止力で「辺野古が唯一の解決策」と強調。2013年に承認を得た仲井真前知事に辺野古でなければいけない理由を「十分説明していた」として承認の正当性を主張した。

 一方、執行停止の申立書では「普天間飛行場の危険性除去の遅滞、日米間の信頼関係への悪影響などの重大な損害を避けるため停止の必要性がある」と主張し裁決が出るまでの間の取り消しの効力停止を求めた。

 菅義偉官房長官は会見で、「防衛省で承認取り消し理由を精査した結果、瑕疵はないということだった」と国の正当性を強調した。

 申立書を受理した国交省は14日、県に対し執行停止への意見書を22日までに、審査請求への弁明書を11月16日までに提出するよう求める文書を郵送した。

■知事、政府を厳しく非難

 埋め立て承認取り消しに対し、沖縄防衛局が国土交通相に無効審査などを求めたことに、翁長雄志知事は14日、「取り消し通知書を受け取った翌日で、新基地建設ありきの政府の強硬姿勢を端的に示すもので誠に残念」とコメントを発表した。

 国民の権利救済を目的とする行政不服審査法に基づき、国の機関である防衛局が国民と同じ「私人」であると主張することは「同法の趣旨にもとる行為で、国民の理解を得られない」と指摘。内閣の一員である国交相が審査することは「不当という他にない。法運用上のあしき前例になる」と厳しく非難した。

 また、取り消しが法的に正当である県の立場を強調し、「辺野古に新基地を造らせないという公約の実現に向け、全力で取り組む」と決意を示した。