英国が17日、「孤独担当相」というポストを新設した。「あまりにも多くの人にとって孤独が、現代生活の悲しい現実になっている」とメイ首相

 ▼英国内の調査では、友人や親戚らと1カ月以上会話をしていない高齢者が約20万人に上った。健康にも悪影響を及ぼす孤独問題の解決に向け、市民団体と協力し、予算をつけて戦略的に取り組むという

 ▼状況は日本の方がより深刻だ。少し古いが、経済協力開発機構(OECD)が2005年にまとめた「社会的孤立」に関する調査で、家族以外との交流がない人の割合が日本は15%で20カ国中最多だった。英国の5%の実に3倍

 ▼最近発表された推計では22年後の2040年、全世帯の4割が1人暮らしになり、65歳以上では半数に近づく。生涯未婚率も過去最高を更新し、男性では4人に1人に。都道府県別で沖縄は男性1位、女性も5位と高かった。「おひとりさま」が社会の主流になる時代が目の前に迫る

 ▼神奈川県座間市のアパートで9人の遺体が見つかった事件では、孤独を抱えた自殺願望のある若者が犠牲になった。孤独問題は高齢者だけでなく、世代をまたいで私たちの足元に広がっている

 ▼生き方を自分で自由に決められ、家族の在り方が多様になった時代の新たな課題。英国はそれを的確につかみ、動こうとしている。(高崎園子)